財産になること

 私は今回の受験勉強を通して、2つの大切なことを学ぶことができました。1つ目は自分が思っていること、考えていることを周りの人に話したり相談したりすることの大切さ。2つ目は自分で自分を決めつけないことの大切さです。

 まず1つ目の、周りに自分の考えを話すことについてです。これは、自分の中だけで物事を考え、完結させてしまうことは、自分を苦しめてしまうことに繋がりやすくなるのではないか、と感じることがあったからです。それは、志望校を決めるときでした。私は志望校を決めるとき、ほとんど周りの人に相談しませんでした。なぜなら、友人を自分のせいで煩わせたくないという思いがあったからです。また、自分が学びたいことと、両親が私に学んで欲しいこととのずれがあったため、どちらを優先させればいいのかがわからず、ひとり悩んでいました。そして、なんとか自分なりに志望校を決めました。が、のちのち、先生との面談で、私が行ってみたいと思う大学がいくつか出てきたのです。ですが出願期間はとうに過ぎており、受験することはできませんでした。私がもっと先生やまわりの人に自分が思っていること、自分が悩んでいることを打ち明けることができていたら、気持ちももっと楽になっていたでしょうし、こんな風に視野の狭さから興味のある大学を見落としてしまうこともなかったと思い、とても後悔しました。ですが結果的に私は、自分の気持ちや悩みを人に話し、客観的なアドバイスをもらうことで冷静になることができたこと。また、それにより自分で自分を追い詰めてしまうことも減らすことができることを、このときの体験から知ることができました。また、自分の頭の中の考えを言葉にすることで、自分でも気づかなかった自分の気持ちにも気づくことができ、考えを整理することにも役立つのだと知りました。

 もうひとつは、自分で自分を決めつけないことです。私は専門学校で韓国語を専攻しており、韓国語ばかり勉強していました。なので、小論文の勉強などはやったことがなく、また、できる気もしませんでした。勉強しなければ、と気持ちばかりあせり、専門学校の勉強と受験勉強の両立ができず、落ち込む日々が続きました。ですが、先生たちがそんな私に本を読んで簡単に要約する練習をしなさい、反対の意見を持ちながら本文を読みなさい。といったように具体的なアドバイスをして下さいました。その勉強法を続けて、小論文を添削してもらうという作業を繰り返すうちに、小論文の書き方が少しずつわかるようになったのです。できないと決めつけ、諦めていた私は、なんだか信じられないような気持ちになりました。そして、とにかく何事もやってみなければわからないのだということを身をもって経験することができました。

 これらのことは、私が大学編入を望まなければ、きっとわからなかったことだと思います。私が受験を終えたのは2月の末だったので、人よりすこし長い受験期間となり、不安定になることも少なくありませんでした。ですが、これらの体験は、自分を成長させるためにとてもよい機会になりました。大切なことを教えてくださった先生方にとても感謝しています。皆さんも受験勉強を通して、自分にとって大切なことを見つけることができたら、それはきっと合格と同じくらい、皆さんの財産になると思います。頑張ってください。応援しています。                  

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