大学編入の基礎知識①~大学編入試験の受験資格③

 前回からずいぶん、時間が空いてしまいました。申し訳ありません。ここで、あれが忙しかった、これが大変だったなどと言い訳していると、またまたアップが遅れてしまいますので、早速本題に入りましょう。
 まず、念のため、大学編入試験受験資格一覧を再度あげておきましょう。
①大学卒業(見込)者/学士号取得(見込み)者
②短大卒業(見込)者
③高等専門学校卒業(見込)者
④専修学校専門課程(修業年限が2年以上、総授業時数が1,700時間以上であるものに限 る)修了(見込)者
⑤大学で所定の単位を修得した者(見込含む)/2年次修了(見込)者/1年次修了(見込)者
 今日はその⑤、大学在学者です。これが一番難しいですね。大学によって、というよりは、同じ大学内でも学部によって、場合によっては学科によって、受験資格が違う!ということがあるのです。たまたま知っている大学学部の編入試験受験資格がこうだから、他も全部そう…では絶対にない!ので、要注意です。
 まず、ざっくりと全体像を見ておきましょう。どういう人が対象なのか、ということですが、一般的には、見込みでも、すでに資格を満たしていても、受験できます。ですから、3年次編入であれば2年次途中で見込みで受験するケースが最も多いわけです。さらには、大学を中退して何年経っていても受験できますし、すでに3年次になっていても、3年次編入を受験OKということですね。
 もっとも、全国すべての大学を見れば例外はあります。ただし、大体はその大学全体がそうなのではなく、学部学科単位での受験資格です。具体的には、見込みでの受験を認めず、中退していることを資格とするところもないわけではありません。が、ごくまれです。
 また、同志社大学法学部2年次編入のように、その年の4月に入学した大学1年次在学者のみとするところもあります。この場合は、中退していたり、2年になっていたら受験できません。もっとも同志社の社会学部2年次編入にはそのような条件はありませんから、本当に例外です。
 一般的には見込みでも中退でも大丈夫だけれども、念のために、そのような規定がないか確認する…という考えでいてください。
 さて、それでは具体的な説明に入りましょう。
 大学在学者を対象とした受験資格の場合、大きく2つの表現がされています。
①大学2年以上在学で62単位以上取得(見込み)者 
②大学2年次修了(見込み)者
 問題はこの2つがどう違うのか…です。②は2年次修了ですから、在学中の大学で3年次に進級できる必要があります。 多くの場合、60単位以上あれば進級できるはずですが、大学の中には必修の単位を落とすと留年というところもあります。2年次修了としている大学については、修了見込みで受験して結果的に進級できなかった場合、合格が取り消しになるということです。
 たとえば、東京外国語大学は、在学中の大学に修了を確認するという話を聞いたことがあります。ただし、進級さえできれば、単位は40単位を切っていても大丈夫です。一方で、同じく大学2年次修了とする大学には、60単位程度取っていれば、実際は進級できなくてもそのまま編入させてくれる大学もあります。というより、自分から「進級できなかったんですが、このまま編入できますか」なんて訊かなければ、編入先の大学にはわからないだけかもしれません。
 まあ、考えてみれば、70単位取っても○○という科目を落としているから進級させない…なんていう、その大学独自の方針を、編入先の大学がそんなに重視する必要はないと、私は思いますが。
 一方で、①の場合は、決められた単位を取得できれば、2年次に留年しても合格取り消しにはならないということになります。でも、1単位でも受験資格で決められた単位数を下回れば不足すればアウトです。これは、編入先の大学に成績証明書を提出しますから、隠すことはできません。
 この①のタイプについては、こういう例があります。ある学生は理系の大学にいて、単位は十分持っているのですが、1年次に必修を落としたために留年していました。志望は国立大学法学部で、編入試験を受験できるかどうか複数の大学に訊いてみたところ、上記の②の大学は当然だめとのことでしたが、①、つまり「2年以上在学」という大学には、受験できるところが複数あったのです。
 それでは、①と②、どちらが多いかということですが、これは①です。
 というところで、続きは次回にしましょう。この項はまだまだ続きます。なんせ、大学によってさまざまで。だからこそ、私のような専門家((>_<))の出番なのですが。なるべく、すぐにアップしたいものです(^^;)。