社会学は常識を疑う学問。

社会学は常識を疑う学問。

社会学とは、社会の見えない構造を明らかにする学問である。政治学ならば政治現象を通して、経済学ならば経済現象を通して社会の見えない構造を可視化しようとする学問である。社会学の場合は、宗教、文化、経済、歴史、メディア、マンガ、アニメなどあらゆることを題材として、社会の見えない構造を明らかにしようとする。

また、社会学の特徴の一つとして、常識を疑うという視点がある。常識とは作られたものに過ぎないととらえるのである。例えば、最近の日本では、夫婦別姓を認めるべきかどうかが話題になっているが、保守派の人たちは、「夫婦同姓は日本の伝統であり、夫婦別姓は日本の家族を解体するために反対だ」と主張することが多い。しかし、社会学者の中には、「夫婦別姓は、明治時代に入ってから、民法が制定されてから始まった制度に過ぎないため、日本の長い歴の中でたかだかまだ百年ちょっとしか経っていない制度であるため、夫婦同姓は日本の伝統であるために夫婦別姓は日本の家族を破壊するという主張はナンセンスだ」と言ったりする。

 もちろん社会学者の中にも様々な考え方があるが、常識を疑うという点は、多くの社会学者が共有している視点である。構築主義(社会的構築主義、社会構成主義)という学術理論がある。これは、知識(常識)とは、人々の相互作用によってたえず構築され続けてきたがゆえに、ある時点において客観的に見えるに過ぎない、という理論であり、現代の人文科学、社会科学に最も広範な影響を与えていると言われる知のパラダイムのことである。

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