「医療ツーリズム」

「医療ツーリズム」

南米の細長い国、チリで、
美容業界における巨額の脱税疑惑が持ち上がっています。
特に美容整形の分野において。
目を大きくしたり、顎を小さくしたり、脂肪を吸引したり。
整形自体の是非はともかく、
これが実はチリ国内だけの問題ではないところがポイントです。
脱税をしようとする=かなり稼いでいる
ということですから、
先進国とは言えないこの国で、誰が美容整形に多額のお金をつぎ込めるのか―
外国からの「患者」です。
このようにして、何らかの医療技術の恩恵を受けるために、海外へ行ったり、
そういう外国人を受け入れるサービスを、
「医療ツーリズム」と呼びます。
心臓などの臓器移植など、
日本国内では不可能だったり、
受けられるまでにひどく長い時間を必要とする場合に、
渡米して手術を受けることもこれに入りますから、
一概に問題視することは出来ません。
ですが、先進国から新興国や途上国に渡って自分の国より安価で整形手術を受ける
というような「医療ツーリズム」は、
当人のあずかり知らぬところで思わぬ影響を与えることになるようです。
「美しくなりたい」→「脱税事件」になるとは
一面だけを見ていたのでは見えない現実、
逆さから眺めて初めて分かる魅力。
思考の柔軟体操は怠らないほうが良さそうです。
NS

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