2022年4月4日より,東京証券取引所の市場区分が変更となりました。市場区分の再編って60年ぶりのことなんですよね。
1部市場が「プライム市場」
2部市場とJASDAQスタンダートが「スタンダード市場」
マザーズとJASDAQグロースが「グロース市場」
合計で3つの市場区分にまとまることとなりました。
そもそもこれまで,1部,2部,JASDAQ,マザーズなど「重複」ともいえるような区分が混在していて(もちろん厳密には目的等が異なっていましたが)ややこしかったですから,今回の再編は分かりやすくするという意味においてもよかったのかもしれません。
また今回の再編の目玉の1つに「厳格基準」があげられています。これまで上場するのは厳しかったのですが,上場維持はそこまで厳しいものではなかったのですよね。よっぽどのことがなければ市場区分を落とされることはありませんでした。そこにメスが入ったのが今回の再編です。プライム市場は,上場維持の条件が上場条件並みに厳しく,プライム市場に上場したこと自体が,場合によっては企業のリスクになりえてしまいます。経営者はcost<benefitをしっかりと検討する必要があります。
たとえば,東証1部からプライム市場へ移行するにあたり,東証1部上場2177社のうち16%にあたる338社がプライム市場ではなくスタンダード市場を選択しました。一見すると「格落ち」したような印象を市場へ与えてしまいそうですが,リスク回避の経営判断なのでしょうね。
プライム市場上場維持基準のなかで興味を惹かれたのが「気候変動が事業活動に与える影響を開示」です。その他にも高いガバナンス水準が求められています。
企業が求められるGlobal New Standardの問題は様々な議論を生じさせています。働き方も変わり,M&Aの考え方も変わり,そもそも「企業」って何だろう?等の問も発せられています。そんな現代で活躍していくためにも経営学を学ぶことに大きな意味がありそうです。
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