心理系編入

「こころ」というキーワード

「心理学」と聞いてどのようなイメージが思い浮かびますか?このような質問をすると、「カウンセリングをする」「人の性格について研究する」といった答えが返ってきます。「犯罪心理学」という言葉を口にする人もいます。

現在、テレビや新聞などのメディアでも心の問題が取り上げられることも少なくありません。そのような心の問題について心理学で扱うのはもちろんですが、それは心理学のごく一部に過ぎません。人間の「こころ」に関するテーマは実にたくさんあります。例えば、やる気・記憶・親子関係・友人関係など、時には脳の発達まで考えることもあります。人間の心や行動、態度などに関する学問が「心理学」なのです。あなたがそれらに興味があるなら、一緒に心理学を学んでみませんか。

「こころ」を大学で学びたい!

人間のさまざまな心の在り様を研究・勉強するのが心理学であり、それを学べるのが大学の心理学科やそれに類する学部・学科・専攻になります。

心理学科では、心の問題について学んだり(臨床心理学)、親子関係や子どもの発達について学んだり(発達心理学)、実に多くの心理学を学びます。またそれだけでなく、心を客観的に捉えるための実験を行う実験実習の授業や、データを統計的に分析するための統計法などの授業もあります。

このように多様な広がりを持つ心理学科に編入するためには、様々な心理学について勉強しておく必要があります。中央ゼミナールでは、心理学を専門とするスタッフが講義や、面接対策、志望理由書の作成などをサポートします。

※心理学の編入試験についてさらに知りたい方は、ページ下部の「編入心理学の全体像」などもご覧ください。

編入心理学の全体像

  • 条件付け
  • 社会的学習
  • 記憶
  • 視知覚
  • 問題解
  • 推論
  • 非言語コミュニケーション
  • 認知発達
  • 脳損傷
  • 動機付け
  • 知能因子
  • 社会的影響
  • 対人魅力

これらはすべて、一般的な心理学の概論書(教科書)には必ず出てくる言葉です。なにやら難しそうだと思うかもしれません。しかしそれぞれが、私たちが「こころ」と呼ぶ精神活動に深く関係します。もう少し別の点からまとめてみると、心理学は「○○心理学」と呼ばれるさらに細かい分野に分かれます。代表的なところでは、次のようなものがあります。

  • 感覚・知覚心理学
  • 認知心理学
  • 生理心理学
  • 学習心理学
  • パーソナリティ心理学
  • 発達心理学
  • 社会心理学
  • 臨床心理学
  • 教育心理学

まだ他にもあります。意外と多岐にわたっていることに驚かれた方もいるのではないでしょうか。

そして、これらはすべて編入試験のために学んでおかなければならない分野でもあります。「私がやりたいのは○○心理学だけだ」と言う方もいるかもしれません。しかし、編入学の試験では心理学の基礎となる幅広い知識が問われます。また心理学は色々な分野が密接に関係しており、入ってから自分がやりたいことをより深く理解していくためにも、しっかり学んでおくことが必要です。実は受験勉強であることは別として、それぞれが非常に興味深く、少し学ぶと、さらに深く知りたくなる事が間違いありません。

とはいえ、全分野を受験までにこなすのはそれなりに大変になります。試験本番は当たり前ですが何も見ずに回答しなければいけないので、理解し、覚えることに加えて、書く訓練もしておかなければなりません。中央ゼミナールでは授業を通じて理解と答案作成を丁寧に指導しています。

試験の傾向と出題形式

心理系編入の試験では、多くの場合「英語」+「専門科目」の2科目が必須となります。その他、白百合女子大学のように、課題図書を読んでそれについて小論文を書いて提出する形式もあります。いずれもしっかりとした準備が必要です。

心理系英語の問題傾向

心理系の編入では、大きく次の4つの傾向に分けることができます。一つの学校がある特定の形式だけで出題する、ということはあまりなく、複数のものが組み合わさっています。志望校の形式に応じた対策が必要です。

①心理系の単語の知識を問う問題や、和訳を必要とする問題

お茶の水女子大学(文教育学部人間社会科学科心理学コース)や青山学院大学、明治学院大学など多くの学校で出題されます。英語が読めるだけではなく、心理学の理解も問われる問題です。

②文法知識や、単語の穴埋めなど一般入試型の問題

専修大学や聖心女子大学などでは、一般入試に近い形式の英語が出題されます。この場合は内容も心理学に限定されず、人文科学の幅広いトピックが出題されます。高い基礎力が問われる形式と言えます。

③文章の和訳に加え、全訳や要約を必要とする問題

青山学院大学などは、長めの文章を全訳させたり、また内容を簡単に要約させたりといった、理解力+文章力が同時に求められる出題をします。

④英作文

あまり数は多くありませんが、大正大学や駒澤大学では英作文が出題されます。読むことに特化した勉強を続けてしまうと、こうした問題に対応するのが難しくなります。文法的に正しい英文を書くためには、実際に英文を書いて添削を受けるのが理想です。

専門科目

編入試験で出題される心理学の範囲は、多岐にわたります。「編入心理学の全体像」で述べたように、勉強を始めてみるとやらないといけないことが膨大で圧倒されることもあります。専門科目の試験では様々な出題形式があります。単に知識を増やすだけでなく、次にあげるような問題に解答できる答案作成能力を身につけておくことが大事です。

①知識問題

単純な用語の知識を問う問題です。心理学の幅広い分野から出題されます。人名もある程度覚えておく必要があります。この中には、当てはまる単語を記号で回答する記号形式のものや、空所補充問題。文章の空欄に当てはまる語を答えさせる文章完成型、心理学の用語について、ある程度の長さ(通常、200字程度)で説明させる語句説明形式があります。語句説明になると、単純な暗記ではなく、内容を理解していないと答えられません。

②論述

語句説明よりも長く、600字程度が求められます。基本的には語句説明と同じですが、論理的な文章を書く能力がより強く求められます。段落構成などがしっかり出来ていないと減点の対象になります。一定の時間で長い文章を書くためには、やはり訓練が必要です。

論述形式の問題としては、「○○の理論について」など、語句説明よりもさらに広い内容を体系的に述べる事を求める概念説明型や、あるテーマについて、研究方法の立案や、問題点の指摘を行わせる研究計画型があげられます。

③小論文

基本的には論述問題と同一ですが、600字~1000字以上の分量が求められます。多くの場合は「あなたの考えを述べなさい」という出題形式になります。この場合は単に自分の考えを述べれば良いのではなく、テーマに関する一定の知識を踏まえた内容であることが前提です。

小論文の一形式として、白百合女子大学では課題文形式の出題がされます。事前に指定された図書を読み、その内容に対する感想と意見を述べ、提出します。準備の時間が十分にとれますが、その分高い完成度を求められます。

ターゲット校

国立大学

  • 北海道大学文学部(人間システム科学-心理システム科学講座)
  • 北海道大学文学部教育学部(教育臨床)
  • お茶の水女子大学
  • 文教育学部(人間学科)
  • お茶の水女子大学
  • 生活科学部(発達臨床心理学)
  • 大阪大学人間科学部
  • 千葉大学文学部(行動科学) など

私立大学

  • 青山学院教育人間科学部(心理学)
  • 桜美林大学リベラルアーツ学群(人文科学分野 )
  • 学習院大学文学部(心理学)
  • 駒沢大学文学部(心理学)
  • 専修大学文学部(心理学)
  • 日本女子大学人間社会学部(心理学)
  • 立正大学心理学部
  • 東洋英和女学院人間科学部(人間科学) など

履修パターン

英語

  • 「心理系の添削英語」→お茶の水女子/文教育(生活科はTOEIC)、青山学院、明治学院、法政、日大、駒澤など
  • 「一般入試型英語」→専修大学、聖心大学など
  • 「英語記述式・要約演習」→青山学院大学など
  • 「添削英作文」→大正、駒澤など

専門科目

  • 「心理学概論(編入)」→心理系編入を目指すすべての方が受講。基本的な知識を獲得します。
  • 「心理教育系の小論文」→大阪大学、白百合女子大学など

心理系講師座談会

※2015年某日に開かれた心理系講師座談会の内容です。

最近の入試問題の傾向

本日は心理系の編入学について、勉強方法、志望理由書や面接対策などについてお話をうかがっていきたいと思います。よろしくお願い致します。まず、直近の編入心理学の傾向についてですが、何か変化などはありましたでしょうか。

試験の傾向については、大きな変化はないんじゃないでしょうか。基本的には英語、専門科目(心理学)、そして2次面接という流れは、ほとんどの学校で共通だと思いますし。

そうですね。専門科目についても、大学院のように臨床心理学の出題が中心になるということはなく、各分野から幅広い知識を学習しておく必要がありますね。

合格枠についてはどうでしょうか?

中央ゼミナールからは、今年も京都大学やお茶の水女子大学といった上位校をはじめ、上智、明治、青山学院など、幅広く合格しました。1次試験のみ合格ということであれば、もうちょっと幅は広がります。ただ、全体的な受入数はまぁ相変わらず・・・

多いとは言えないのが現状ですね。各学校で、1~2人の合格がほとんどです。その意味では、中ゼミ生が頑張ってくれたのは心強いと同時に、それだけしっかりとした勉強が求められていると言って良いでしょう。

あとは、お茶の水女子大学の生活科学科は24年度からTOEICを使用するようになりましたね。これは別に対策が必要ですし、出願に必要なタイミングでスコアの交付を受けるために早めに受験しておく必要があるので、注意が必要ですね。来年度への一番大きな変化はこのあたりではないでしょうか。

受験にあたって必要なもの

傾向として大きな変化はない、という感じでしょうか。先ほどのお話で、各学校の試験科目は英語、専門、面接というお話がありました。準備としては、これらをバランスよくやるというので良いでしょうか?

基本的にはそんな感じですね。ただ、各科目の配分は変わってくるんじゃないかな。

それは、受験する学校の傾向によるということですか?

それよりも、本人の学力による部分が大きいのではないでしょうか。まずは何よりも英語が鍵でしょう。英語が苦手な人は、最初のうちは英語の力をつけるために時間を使う必要があるのではないかと思います。反対に英語が得意な人は、英語の実力を伸ばしつつ、専門科目にも時間を使えますね。

英語は伸びるまでに、どうしてもある程度の時間がかかりますからね。

あとは、在籍している学校の授業との兼ね合いですかね。短大の人は卒論があったりしますし。編入が認められるための単位数というのがあるので、編入の試験を受けるからといって大学の授業をおろそかには出来ませんしね。そういう中で、自分の勉強に使える時間を見極めて配分していく必要はあるでしょうね。

志望理由書も忘れてはいけませんね。

そうですね。特に2次試験ではこれを元に色々な質問をされますし、皆さんが思ってる以上に書き上げるまでに時間はかかりますからね。もちろんいい加減にやればすぐ終わりますけど、面接の評価も終わりますね(笑)

学校の成績

なるほど。志望理由書についてはまた改めてお伺い致します。学校の授業についてお話がありましたが、学校の成績というのはどれくらい編入学試験で重視されるのでしょうか。

先ほど浅尾先生が仰ったように、必要な単位については間違いがないように計算しておく必要がありますね。

単位はほんとにそうですね。あとは、成績ももちろん良いに越したことはありません。だいたいの学校では成績表を提出しますし、「C」とか「可」が多いと、面接で突っ込まれますからね。まあ実際には、在籍校の成績が悪くても面接でカバーは可能ですし、中ゼミの面談ではそのあたりも指導してますけど。

編入先の学校で単位に算定されるかどうかも、可能であれば調べておきたいですね。

そうですね、余裕があれば、科目を登録する段階でそれに合わせておければ理想的です。

実際に、どれ位の単位が認められるんでしょう?

学校による、としか答えようがないですね。科目名が違っても、同じ内容と言うことで認められることもありますし、その逆もあり得ます。まぁ実際には受かってからの話なので、出願の段階ではそこまで気にする必要は無いのではと思っています。

心理系では一部、編入の条件になることも無くはないですね。

そうですね。例えば統計学や実験の授業をとっていれば3年次編入、履修していなければ2年次、としている学校もあります。ただ、同じ学校でも年度によって方針が変わることもありますし、このあたり、変な言い方になりますが、こちらを当てにせず、各自が願書を取り寄せるたり電話で問い合わせたりなどしてしっかりと調べるように指導はしています。

出席日数などはどうでしょう?

上智大学などは、そのあたりもしっかりと見る印象がありますね。

あまり欠席が多いと「合格させても、この人はちゃんと学校に来るのかな?」と相手に思わせてしまいますしね。

ただ、1年時に欠席が多いとかでも、2年で頑張るとか、あとは面接対策をしっかりやることで挽回は十分に可能です。

志望理由書

面接対策、ということで、関係の深い志望理由書についてお伺いしたいと思います。そもそも志望理由書はどういったものなのか、といったあたりからお話頂けますか?

簡単に言えば、なぜその大学を受けるのかを述べたのが志望理由書ですね(笑)

そのままですね(笑)

そのままですが、本当にその大学に行きたいのか、なぜ行きたいのか、そもそも何故編入学を希望したのか、といったあたりまで自分の中で整理出来ている必要があります。これは自分と向き合う時間も必要ですし、受験校について学科の特徴やどのような先生がいるかなど、しっかりと調べる時間も必要です。

だいたい、作成にはどれ位の時間がかかるのでしょう?

週に1回、個別面談をやるとして、1ヶ月から2ヶ月でしょうか。

結構かかりますね。

最初は誰でも漠然とした理由しか書けないんです。1~2行で終わってしまったり。それが普通ですが、何度も書き直すことで内容を深めていく必要があります。違う言い方をすると、書きながら深めていく作業、といってもいいかもしれません。

最初から書けている人はいるんですか?

まずいませんね。だからある程度時間がかかります。中ゼミでしつこく「早く面談に入るように」と言っているのはこういう理由からですね。

いつぐらいから始めるんですか?

面談自体は、早く来るようにお願いしています。先ほど1~2ヶ月と言いましたが、そもそも書き始めるまでに時間がかかる人が結構いるんですよ。「なんで心理学をやりたいんですか?」と聞いても「なんとなく」としか答えられなかったり。だから人によっては、例えば本を読んでみましょうとか勧めることもありますし、とにかくスタートは早いに越したことはないです。

時間をかけて質が下がることはあまりありませんしね。

そうですね。あとは、夏休みに入ってしまうと勉強も佳境に入ってきたり、出願書類を取り寄せたり、色々バタバタしますしね。そういうなかで、落ち着いて志望理由書を考えるってのはまず無理です。だから、余裕をもって進めるためにも、5月くらいにはスケジュール確認の意味もあって、スタートして欲しいですね。

中ゼミ的には、ひとまず面談に来て欲しいと?

「来て欲しい」というか「来い」と言っています(笑)

受験の時には、何校か併願する人がほとんどだと思うんですが、それも含めて1~2ヶ月ですか?

学校の書式のことは考えずに、しっかりとした志望理由書のベースを文章で書くのが第一でしょうか。もちろん、第一志望の学校の書式にかき込む形でも良いですが。心理学に関心をもった理由、その大学を志望した理由、所属したいゼミ、卒業後の進路、このあたりをある程度固められると、あとはその内容を各学校の書類に反映させて増減させればいいわけですから。もっとも、その作業も結構面倒ですが。

面接対策

内容を「書きながら深めていく」ためにも、ある程度の時間は見ておかないといけませんね。この内容は面接にも関わるということでしたが?

志望理由書について聞かれるので、書いた内容に一貫性が無いとダメですし、それを自分で説明出来ないとダメです。その意味では、志望理由書を何度も読み返すのが、面接対策の基本かもしれません。

他に面接対策はありますか?

なんといっても、面談練習でしょうね。繰り返せばそれだけ上手くなります。上手くなる、というと技術的な話だと思うかもしれません。もちろん話し方なども大事です。ただ「こういう質問にうまく答えられない」とか「考えてもいないことを聞かれた」とか、そういう中で自分のペースというか、スタイルを確認していく作業は重要です。

面接練習だと、顔見知りのスタッフとやっても緊張する人が多いですよね。

中ゼミの練習ですら緊張してますからね(笑)いきなり本番というのは無謀です。練習で上手くなる部分はかなりありますので、中ゼミ生はどんどん利用するべきですね。

いつ頃から練習をすればいいでしょうか?

本番の2週間前くらいからでしょうね。あまり早くやり始めても仕方ないですし、志望理由書を仕上げるのが先です。

英語の勉強法

何よりも志望理由書ということですね。それでは全般的なお話を伺ったので、科目別の勉強について伺いたいと思います。英語と専門科目ですが、まず英語については、先ほど浅尾先生から重要だという話がありました。どのように勉強していけばいいでしょう?

大学受験レベルの単語と文法を取り戻すことが基本となります。

編入試験独特の英語対策というのは、やらなくていいのでしょうか?

心理系の英文の比率が、当然ですが高めです。そういった特色はありますが、土台部分が出来ていないと心理英語もなにも出来ないので、まずは大学受験の内容ですね。

大学受験の時に苦手だった人などはどうすればいいでしょう?

実は、中学校の内容からやり直すのが一番の近道です。文法に従って英文が読めないと、まったく伸びませんので。恐らく大学受験で苦手だった人は、感覚でなんとなく読んでしまう癖がついているか、知識が不十分か。このいずれかだと思います。中学校の内容から知識を積み上げた上で、あと単語は中ゼミでは「ターゲット1900」(旺文社)を使っていますが、これを完璧に仕上げることです。

あとは、千頭和先生の授業ですかね(笑)

そうですね。千頭和先生の授業はそれなりの厳しさはありますが、最後までついていった人は必ず大きく伸びますね。「苦手だったけど、一番好きになった」なんて言い出す人もいます。独学に不安がある人は、ぜひ授業を受けて、曖昧さのない英語のルールで読む姿勢を身につけて欲しいですね。

心理系の英単語などは、どうすればいいでしょう?

基本的には、後回しでいいでしょうね。余裕があったらやれば良いと思いますけど、まずは「ターゲット1900」とか、そういう大学受験の頻出単語を身につけることでしょうか。試験にでてくるような心理系の単語は、専門科目を勉強する中で覚えるものも多いですし。

心理学の勉強法

専門科目、という言葉が出たところで、心理学の勉強について伺いたいと思います。これは何をやる必要があるのでしょうか。心理学と言っても、非常に幅が広いのですが・・・

極端なことを申し上げますと、概論書、例えば東京大学出版会の「心理学(第4版)」1冊の内容が頭に入っていれば、知識としては間違いなく十分です。内容を整理するために自分で語句解説のノートを作ることを授業では勧めていますが、色々な本に手を出して中途半端で終わるよりは、この本に限らず、なにか一冊絞って繰り返し勉強するのがいちばんでしょうね。

出題としては、知識問題が多いのでしょうか?

そうとも言い切れません。もちろん、心理学の知識が中心にはなっていますが、複数の理論の違いを述べさせたり、また研究計画を考えさせる問題も決して少なくはありません。ただ、そういった対策が出来るのも知識があってこそです。

まずは知識を身につけることが大事なんですね。

そうですね。夏までに一通りの内容を押えておくと、その後で実践的な練習にスムーズに移れます。

対策としては、語句説明が中心ですか?

200字程度で用語が説明出来れば、もっと長く書かなければならない問題にも、短期間で対応出来るようになります。語句解説のノート作りを勧めるのはそのためです。

過去問はいつ頃解けばいいでしょうか?

4月、5月の段階でどういった問題が出るのかを確認しておくことは意味があります。ただこの段階では解けなくて当たり前なので、傾向を確認して、その後は基本知識の習得に全力を注ぐべきでしょうね。実際に過去問で演習するのは、受験の1ヶ月前あたりからになると思います。

心理系の編入試験が本格的になるのは大体10月頃。出願を考えると、受験要項が各大学から出始めるのが夏頃ですから、志望校の決定と合わせても基礎を終えた8月ぐらいから、実践的な演習に入る感じですかね?

そうですね。8月一杯までかけても、基礎を充実させるくらいでもいいかもしれません。

合格する学生像

心理学は幅が広いぶん、基本的な内容を偏り無くおさえておくことが合格には重要ということですね。それでは、最後になりますが、非常に漠然とした質問かもしれませんけど「こういう学生は合格する」というのはありますか?「こういう学生だと合格は難しい」でもいいのですが・・・

授業を休まない学生は必ず伸びますね

そうですね。実力は伸びますし、必ずどこかに合格しています。

知識としては概論書一冊分で大丈夫、みたいなことをさっき言ってましたけど、それなら家でもできますよね。何が違うんでしょうね?

受験まで一定のペースで勉強し続けることは大きいと思います。

約半年を常に全力というのは、なかなか難しいですからね。少なくとも中ゼミに来れば、周囲もやってますし、自習室には沢山の人がいます。モチベーションの維持という意味でも大きいのかもしれません。

あとは、特に英語なんかは、授業中に制限時間の中で必ず問題を解くので、本番に近い形の演習が蓄積されているのだと思います。

日本語でもそうだと思います。日本語であっても、時間内で論理的に書き上げるのは難しいですから。

書いた物を他人に見てもらうのは大事ですからね。

自分の文章の欠点は、自分では判りにくいですからね。指摘してもらわないと、なかなか伸びません。時間内に書くのも、訓練すれば必ず伸びますからね。

本番に向けて授業の中で力をつけていくのが、合格への道ということでしょうか。学生の皆さんには授業や面談をはじめ、中ゼミを上手く活用して、合格を勝ち取って頂きたいと思います。お二方とも、本日はありがとうございました。