情報を収集するときの注意

月一連載ではなく臨時増刊になりがちな「独り言」のニュ-バ-ジョンがやっと登場です。
本題に入る前に一言、試験の早い国公立理工系編入試験で中ゼミ生の結果報告がぼちぼち届き始めました。昨日はお茶の水女子、山口、岡山への合格報告がありました。合格したみなさん、本当におめでとう。本番はまだまだこれからです。受験生のみなさん、がんばりましょう。
さて、今回は、編入試験の情報収集に関する注意です。


編入試験の困ったところは、情報が入手しにくいところです。なんといっても、試験要項のできるのが遅い!
中ゼミでは毎年その年の編入試験日程表を作成していますが、最初の国公立理系は、これはやたらに試験日が早く6月や7月が中心、一方文系に関しては初回の調査を7月に行いますが、まだ半数以上が試験要項ができていません。大学によっては秋、あるいは年明けにできるところもあります。従って、年2回、3回と、日程表を更新することになります。それでも私立大学の場合は試験要項ができていなくても日程が決まっていれば教えてくれますが、国立はだめ。多くの大学が「できあがった試験要項を見てください」の一点張りです。かと思うと、試験要項ができたと思ったらすぐに願書受付期間、気づいた時にはもう出願が間に合わないという大学もあります。ご用心!
ですから、中ゼミが毎年出版している「編入・転部ガイド」も昨年度の情報を掲載することになります。要注意なのは雑誌です。新しい情報かと思えば、実は1年前の試験日程であることが多く、それがまた、小さな注意書きを見なければわかりません。
結局、何回も大学に電話して確認するしかないわけです。それでも最近はインタ?ネットで試験日程を確認できる大学が増え、本当に便利になりました。
ところで、インタ?ネットで編入を検索すると驚くほどの情報量を得られるようになりました。ただし、取捨選択が絶対に必要です。時々、びっくりするような誤った情報が堂々と掲載されていることがあります(もっとも中ゼミに相談に来た方が他の予備校で聞いてきたという情報のいい加減さにも驚きますが…)。特に個人の発信する情報には思いこみや憶測が混じっていますから、そのまま鵜呑みにはしない方がよいでしょう。たとえば、その人がこういう方法で編入に合格した(と本人は思っている)、だからといってその人のやり方が誰にとってもベストであるわけでもないのです。あくまで参考例です。
たとえば筆記、特に本人が意識して受験勉強をしていなくても、普段から専門科目に関心があって本によく目を通していたり、社会の動きに興味があってしっかり新聞を読んでいたりすれば、試験問題によっては合格答案を作成できるでしょう。また、英語が好きで勉強していればそこそこの点数は取れたりもします。つまり、受験勉強をどの程度しているかではなく、日頃どういう問題意識や興味を持って生活しているかが試験結果にも反映されるわけです。さらに、編入試験では筆記だけではなく、面接や事前提出の志望理由書で本人の勉強に対する意欲をみるところがポイントです。つまり、一般入試とは異なり、編入試験では学力に加え学問に対する関心度や資質が評価されるわけです。
おもしろいのは面接です。先日、ある地方の短大を講演で訪れたとき、先生が生徒指導に大変熱心で私もいろいろと勉強させて頂いたのですが、その中で「なぜ、自分のところの学生が地元の国立大学の編入試験に不合格になったのか、大学へ聞きに行った」(それもすごい)という話がありました。結局合否は面接での評価で決まったらしいとのことで、その先生曰く「うちの学生は地味でおとなしくて、関西から来た自分のことを堂々としゃべりまくる学生に負けた…」とくやしがっていました。よくある話なので内心「クスッ」と笑ってしまいました。それにその先生も関西弁なんですものね。でも、おそらく関西から来たという合格者は、自分が面接で堂々としゃべりまくったから合格したとは思っていないでしょう。感想を聞くと「簡単に受かった」ということになるのかも。
中ゼミでもよくある受験情報や合格体験談が、「ろくに準備もしなかったのに簡単に受かった」というものです。合格した後の感想にはいくつかのパタ?ンがあるのですが、「努力が報われた」と素直に喜ぶ人がいれば、受かったとたんに「私そんなに勉強してない」という人もいます。後者は本当にそうである場合もあるし、先生方が「いやあの人は勉強していた」という場合もあります。本人の中で、もっと勉強しなければ受からないと思っていたのがあっさり合格してしまったということもあるでしょうし、勉強していないのに受かったと言った方がかっこいいと思っているケ?スもあるでしょう。また、中ゼミに相談に来る人の中には、「短大で合格した先輩の話を聞いたら、そんなに勉強しなかったのに受かったって言ってるから、予備校に来る必要はないんじゃないか」と言う人がいます。罪作りな先輩ですね。
  さて、今回は本当に独り言になってしまいました。最後に、全く編入に関して知識のない方が、大学に問い合わせる際、聞いておきたい事項についてあげておきます。
?志望する学部・学科の編入試験実施の有無
?実施している場合、受験資格・試験科目・試験日程・編入年次を聞く。自分が受けられるか確認する。(国立は要項をみてほしいということが多い。)
?編入試験要項・過去問題・大学案内(パンフレット)・学部案内(国立は作っているところが多い)を取り寄せる方法を聞く。できれば講義内容のわかる資料もほしい(なぜ必要かは次回の独り言<志望理由書・面接対策>で)。試験要項が出来ていない場合は、いつ頃出来るか確認する。過去問題などは郵送がだめなら、大学に行って閲覧することはできるのか、確認する。
?その他、入学後の単位認定その他、合格状況など、関心のある事項について聞く。
以上です。次回は志望理由書・面接について、また、ぶつぶつとお話ししてみたいと思います。8月19日に中ゼミで志望理由書・面接対策ガイダンスをするので(校外生も歓迎!)、その後ですね。また、遊びに来てください。