大学編入の基礎知識番外編②~看護系から看護への看護3年次編入について

 今日は受験資格はちょっとお休みを頂いて、番外編として看護編入について、お話ししておきたいと思います。看護師さんや看護学生は必見ですよ。でも、他の志望の方には関係のない内容になりますね^^;。大学生の受験資格について、早く読みたいと期待していた方には(いらっしゃると嬉しいのですが)、大変申し訳ありません。
 看護短大や看護専門学校を卒業(修了)あるいは卒業(修了)見込みの方を対象とした看護3年次編入(以下、看護編入)については、これから数年間、しっかりした情報収集が必要になります。
 現在、看護大学の教育課程は、大きく変わろうとしています。今まで看護大学では、正看護師はもちろん、保健師、助産師と、大学4年間で3つの国家資格の受験資格を得ることが可能でした。助産師は選抜試験を受けることになりますが、それでも看護師に加えて保健師は、全員が課程を履修できました。
 ところが、看護系の四年制大学がどんどん増えて困ったのが保健所など、保健師実習を受け入れる機関です。大学を卒業して地方自治体に保健師として就職できる率は、10%を切っています。それにもかかわらず、残りの90数%の方も含めて、実習指導をしなければならないのでは、多忙な現場から悲鳴があがるのも当然のことと言えるでしょう。
 加えて、社会状況の変化を背景に、看護師、保健師、助産師にはより高い専門性が求められており、質の高い看護師、保健師、助産師養成のため、教育の充実が欠かせなくなりました。以上を踏まえて、平成21年7月の法改正で、保健師及び助産師国家試験の受験資格取得のための教育は、修業年限が6ヶ月以上から1年以上に延長され、カリキュラムも改正されることになりました。
 看護師の教育課程は3年です。四年制大学では看護師で3年、それに保健師が半年、助産師が半年の合計4年で、3つの受験資格取得が可能になっていたわけですが、それが、不可能になったわけです。
 このような2つの状況、実習の受け入れができない、修業年限が1年以上になった、を踏まえて、それでは保健師課程はどうなるのでしょうか。
 実は対応は大学によって異なります。どういう方法を採るかは、大学が選択するということですね。基本的には次のケースが考えられます。
①助産師課程同様に、保健師も大学での選抜制になる。つまり全員は保健師課程を履修で きない。
②保健師は大学院修士課程での受験資格取得となる。
③従来通り、希望者全員が保健師課程を履修できる。
 これに大きな影響を与えそうなのが、東京大学がすでに大学から大学院にシフトしていることです。他の国立大学にも、東大にならうところが出てきています。しかし、多くの大学は、①の選抜制を考えていると思われます。
③は、看護大学が少なく、実習の受け入れが今後も可能な県などではありえます。
 また、保健師教育に連動して、助産師教育を大学卒業者を対象とした専攻科で行う大学も出てきました。助産師はすでに聖路加看護大学が大学院での教育となっています。大学によって、大学院、大学、専攻科と異なってくるわけです。もともと、すべての看護大学で助産師受験資格を得ることができたわけではありません。また、看護専門学校に助産専攻科が置かれているケースもあります。助産師になるためにはどのようなルートを取るべきなのか、情報収集も大変です。
 問題はこれからです。以上のような状況を踏まえ、今後、看護編入はどうなるのでしょうか?? 以下は私見になりますが、長くなりましたのでまた次回に。え?次回もこの続き?という方、申し訳ありません。まず、大学在学者の編入ですね(^-^)。