MBA出願&入試シーズン

■MBA受験シーズン到来

一橋や早慶,青学や立教といった主要なMBA大学院の入試が始まります。出願に必要な書類や事前課題は様々です。(詳しくはこちらのリンク

MBAの入試では,
①今までどんな経験をしてきたのか
②その経験の中でどんな課題にぶつかったのか
③その課題についてどんな対処をしてきたのか
④入学後,その課題を研究にどう結び付けていくのか
⑤卒業後,MBAコースで学んだことをどう活かしていくのか

が問われます。

中央ゼミナールMBA受験コースでは,数多くの面談を通じて,学生さん本人が持っている「課題(問題意識)」を浮き彫りにしていきます。大学院カリキュラムとのリンクをはり,将来プランを明確にするお手伝いもしています。それをもとに説得力ある文章を起こし,何度も何度も書き直しをすることで合格につながる「志望理由書」ないし「将来計画書」を完成させます。

■ビジネスモデルの設計

多くの学生の方が行き詰ってしまうのが,ビジネスモデルの設計です。大学院によっては,卒業後に,起業や新規事業の立ち上げを行うことを前提として,ビジネスモデルの設計を求めてきます。1つの大きな課題として求められることもあれば,将来計画書の1要件として求められることもあります。

これがなかなか難しいんですよ。最初からアイデアを持っている方も,そうでない方もすぐに頭を抱えてしまいます。そのビジネスの実現可能性が評価されるからです。面白いアイデアがあればいいってものではないんですよね。

少なくとも,顧客(ニーズ・ポジショニング),市場(規模・参入コスト),販売(チャネル・サイクル),財務(運転資金・投資回収期間)などについては検討しなければいけません。もちろん,完璧である必要はありませんが。

特に「顧客」の検討がMBAの計画書では重要です。その商品(サービス)が,本当に売れるのかどうか。スタートアップで失敗する多くの企業は,自分たちの「売れるという確信」のもと,販売計画に準じて,マーケティングに大金を投じ,資金ショートに陥るという流れを踏んでいます。

スモールスタートアップの理論で有名なスティーブン・G・ブランク氏は,製品開発モデル(自分たちの売りたい商品主導)を否定し,エバンジェリストユーザー(リスク受け入れ顧客)を中心としたニッチであるべきだと主張しています。いきなりメインストリーム市場で一攫千金を狙うのではなく,課題を抱えている顧客の問題解決から手堅く行うべきだという理論です。それをだんだんと広げ,メインストリームで勝負できる商品(サービス)を開発すべきであると,氏は述べています。

もちろん,既存市場の状況や扱う商品(サービス)によって考え方の相違はあると思います。でも,小さいところから手堅く成功していくというのは大切なことです。学生さんから相談される事業計画を拝見すると,とにかくスタートから規模が大きいものが多いんです。いきなり年商100億の計画とかザラです。こんなにいい商品(サービス)なんだから売れる!欲しいと言っている人がたくさんいる!といった思い付きに近いモデルをよく見かけます。

ちょっと現実味がないですよね。アイデアは非常に素晴らしいのですが。まずは「できること」から考えていかなくてはいけなそうです。

■顧客開発モデル

前述したブランク氏は,スタートアップを成功させるためには製品開発モデルではなく顧客開発モデルが重要であると述べています。大きな市場を見る前に顧客をしっかりと見ようということです。つまり,買ってくれる人を発見し(開発し),その人の意見を吸収しながら,商品をメインストリームに乗せるべく成長させていかなければならないという思考です。かなり慎重ですね。

起業や新規事業の立ち上げを考えている人が,市場や潜在顧客について考えていることの多くは,主観による推測だと言われています。その一方で,顧客は会社の外にいます。経営者が持つ主観を仮説として,何度も何度も顧客と検証を繰り返していかなければなりません。経営者の仮説が事実なのか,それとも単なる幻想であるのか,その見極めが運命を分けることになります。

■ビジネスモデルを課すMBA(経営管理研究科等)で求められること

一攫千金のビジネスがあることを否定しません。あります。しかし,MBA(経営管理研究科等)で求めている人材像はその類ではありません。あくまでも堅実に持続可能なビジネスモデルを作り上げることができるのかどうかが焦点となります。

ビジネスモデルの全体像は明確に。そして,それを何から始めていけばいいのか,顧客をどのように発見していくのか,経営者の考えが幻想なのか事実なのか。地に足をつけて考えなければならないことがたくさんあります。その解決のために存在しているのがMBAコースともいえるでしょう。

経営学・商学研究科では,その研究方法について厳しく問われます。

同様に,ビジネスモデルを課すMBAコースでは,その実現方法について問われることとなります。

中央ゼミナールのMBA受験コースで,ご自身のアイデアを「地に足が着いたもの」に変え,大学院でしっかりと研究をしてみませんか?

大学院受験予備校中央ゼミナール MBA受験コース
(ホームページは→こちら

 

 

カテゴリー: MBA進学の話題 パーマリンク