今回から数回に分けて、そもそも編入とはどのような制度なのかまとめておきたいと思います。具体的な論文対策や英語対策などは、過去記事を見てもらえばと思います。今回は、そもそも編入とはどのような制度なのか、基本情報について書きます。
編入とは、文字通り、大学に編入するための制度です。編入というのは、大学1年生からではなく、大学2年生ないし3年生に入学することです。2年生に編入することを「2年次編入」、3年生に編入することを「3年次編入」と呼んだりします。大学に入学することなのですが、すべての大学がこの「編入」という制度を認めているわけではありません。また、同じ大学でも学部によって編入を実施しているかどうかは異なります。例えば、北海道大学法学部は編入を実施していますが、文学部は実施していません。さらに、北海道大学は2年次編入、3年次編入の両方を実施していますが、名古屋大学法学部は3年次編入しか実施していません。
つまり、編入試験は、実施の有無、実施している学部、実施している年次について個別性が強いので、受験校を考える際にはこの点を考慮する必要があります。加えて、編入試験を受験するにあたっては、「受験資格」を満たしていなければいけません。大学を受験する際には、あまり受験資格を意識することはなかったもしれませんが、編入試験では受験資格が重要となります。例えば、東京大学法学部は編入試験を実施していますが、受験資格は「学士」をもっていることです。つまり、すでに大学を卒業している必要があるということです。このような制度は学士編入と呼ばれます。したがって、大学2年生の学生の方は、学士編入を受験できないことになります。
多くの場合、受験資格とされるのは在籍している大学の取得単位数です。その成績に関係なく取得単位数が重要です。どの程度の単位数が必要か、どのような科目の単位数が必要か、どの時点での単位数なのかは、大学によって異なります。例えば、北海道大学法学部3年次編入であれば、編入するまでに42単位以上の取得見込みで受験できます。他方で、上智大学法学部は、出願時に60単位以上必要となります。また、外国の大学などの場合は単位制度が異なるので、別の扱いがなされたりします。この点においても、個別性が強いと言えるでしょう。
ここまでの話でわかるように、編入はとても個別性の強い制度です。大学によって、学部によって、年次によって、受験資格が異なります。正確な情報は、受験する年度の「募集要項」で確認する必要があります。現時点では、前年度の募集要項が参考となるでしょう。まずは、受験校を考えるにあたっては、そもそも編入を実施しているのか、自分は受験できるのか確認する必要があるでしょう。この点で、編入試験は情報戦です。
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