講師インタビュー

江川先生に聴く!大学編入数学

編入数学の出題範囲と傾向

今日は宜しくお願いします。江川先生には編入転部志望者に対する数学の指導をかなり長いことお願いしているのですけれども、20年近いですね。

18年になりますね。

本当にありがとうございます。その間、出題される数学の傾向に何か変化はありましたか?

はい、文部科学省が定める高等学校数学指導要領の変遷に伴って変わっています。例えば、今、大学の専門基礎で教えている微分方程式は、15年前くらいは高校で教えていました。

そうなんですか!

粕谷先生が高校生の頃はどうでしたか?

僕の時代はやっていなかったです。

そうですか。私の時代はあったんですよね。ちょうど粕谷先生の時代の少し前くらいまでは高校数学に微分方程式が含まれていたんですよ。私が中央ゼミナールで教えはじめた頃です。ですからそれを前提として、大学編入の数学でも微分方程式がかなり多く出題されていました。ところが、ここ10年くらい、大学一般入試では微分方程式の出題はほとんどなくなってしまいました。

ところが実は2、3年前から、高校の数学ⅢCの範囲にオプション、つまり学習しなくてもしてもよいというかたちで、微分方程式が入ってきています。それに伴って、編入・転部の数学でも、また、微分方程式が出題され始めています。

そうだったんですね。

はい。これから微分方程式の出題は増える傾向にあると思います。

それから、大学編入では、以前、重積分と行列式が出題されていましたよね。

はい、それは昔から今に至るまで変わりませんね。非常にノーマルな形の出題としては、微分積分があります。この中には1変数の微分積分と偏微分が含まれます。その後に重積分があります。これが標準的な理系の大学で学ぶ項目です。この3つが解析学の大きな柱になっています。微分方程式は大学の教科書によっては、微分積分学の中に含んでしまうこともありますが、教科書として単独に一冊書けるようなボリュームがありますので、解析学の延長として微分方程式を学ぶんです。それから、大学によっては複素関数論という別の分野の問題を出す大学も若干あります。電通大や筑波大ですね。

それから、全く別の分野として線形代数学があります。行列、行列式があり、線形空間、別名でベクトル空間といいますが、いわゆる図形的な内容を含んだ勉強をするんです。そこには高等学校で増えつつある行列の1次変換も含まれます。

つまり、解析学、線形代数学に微分方程式を加えた範囲を学習することで、ほとんどの大学編入の試験に対応できます。

あとは、一部大学ですが、複素関数論を出題するところがあります。また、農学部系や経済学部系では確率を出すところもあります。

そうすると、大学編入の数学は、基本的には大学で勉強する内容から出題されると思っていたんですが、高校数学の範囲も含まれるということでしょうか?

それは勿論そうですね。高校範囲にさかのぼって勉強する必要性は出てくると思います。

大学の範囲と高校の範囲の比率はどのくらいになるんですか?

表向きには100対0です。が、そう見える内容でも、実際に最後の計算では高校の数学力が必要になるわけですし、高校の数学の力で解けるものも含まれています。大きく分ければ100対0ですが、大学によっては75%程度にとどまるところもあるし、農学系では完全に逆転しているところもあります。

農学部や社会工学、学際分野から出題される数学には高校数学が含まれるんですね。

あと地方の大学や関東でも中堅以下の私立大学ではまれに高校数学を出すところもありますね。そういう意味では過去問題は非常に大事です。作る先生が同じであれば本当に似たような問題を出してきますし。

受験で準備する範囲とは…、文系の人は…、理系の人は…

考え方としては、理系出身者だからといって高校数学がすべて解ける訳ではないので、まずは高校数学の範囲を復習することが大事ということになりますね。高校の範囲というのは数学ⅢCですか?

そうですね。数Ⅰからやるのが大変ということであれば、う~ん。でも、やはり数学ⅠAはやっておきたいですね。数ⅠAは文系の方でも少しやれば思い出すと思うんですよ。その上で、大学の数学でどうしても必要な数学Ⅱの三角関数・指数対数関数を押さえて、数学Ⅲの範囲の微分積分をやれば、比較的短時間で大学数学に必要な高校数学をカバーできると思います。

なるほど、逆に言えば、そのあたりをしっかり押さえていないと、大学数学はきついということですね。特に文系の人は、時間はかかっても、やはり数ⅠAから始めた方が良いということですね。文系からだと1年ぐらいはかかりますか?

はい。勿論そうですね。こちらがびっくりするほどの番狂わせで早稲田の理工あたりに合格してしまう人なんかも文系出身で、数ⅠAから始めて1年で合格をしています。

文系出身で、特に建築学科を希望している人は多いと思うのですが、数学で文系出身者と理系出身者が同じ7割をとっている場合、やはり文系の方のほうが高い評価を受けると思うんです。

そうかもしれませんね。

それから、文系の方は、高校数学からきちんと勉強しなおそうっていう意欲があると思うんですが、理系の方の場合は、以前勉強したことがあるという点でつい過信して、勉強しなくてもできるからいいやと思ってあまり復習をしないというケースがあるのではないでしょうか?

それは非常によくあるケースです。さらにいうと非常に危険なケースでもあります。理系の人たちの場合、高校数学が完全に分かっていなくても大学の数学はある程度解けてしまうんです。ところが、実際に大学数学で計算を進めていったときに最後の最後で高校数学の理解が不十分なために答えが出ないということが往々にしてあります。

数学に限らず、以前やったことがある、みたことがあるというのと、実際に問題が解けるということをごっちゃに考えてしまうことがあるようです。高校でやったからもういいやって勘違いしてしまうケースもあるのではないでしょうか?

それはものすごくよくあることです。総じて言えば、一番強いのは高校の数学からきちんとやり直そうとしている理系の学生です。実際に問題を解いてできなければ繰り返し解くということを実践できるかどうかがカギです。

理系の人たちは試験が早く時間があまりないので、あせってしまう人もいるかもしれませんが、堅実に問題を解くことは必ず必要ですね。そういう意味ではスタートは早いに越したことはありません。

そうですね。

過去問題に頼りすぎないこと、勉強する範囲を自分で絞りすぎないこと

以前早稲田の建築に6名合格した翌年に、今度は1人しか合格できなかった…ということがあったんです。学生に聞いてみると、"数学の試験が数学ⅢCが中心だったので、解けなかった"と言って…。過去問題に頼りすぎなのと、勉強する範囲が大学数学に偏りすぎだったのかなと思いますが、いかがでしょうか?

過去問題については、問題を作る先生が変わらない限り、大きな変化はないと思います。でも、担当者が絶対に変わらないということはありませんからね。

大学の先生方はご自身の専門分野から出題するものでしょうか?

それはそうですね。やはり先生によって偏りがあると思います。あくまでも過去問題は傾向をつかむための問題で、二度と出ない問題ですよということは学生にいって聞かせています。それを踏まえてよくやりなさいといっています。最近は大学でも高校数学が重要視されてきていますので、私の授業(編入数学)でも数学ⅢCで取り扱う範囲を普通にやっています。また、数学ⅢCの授業を併履修するよう事務のほうで勧めてくれているようなので、すごくやりやすくなっています。

大学生や高専生が先生の授業を取るわけですが、数ⅢCを完全に理解していると思われますか?

いいえ。半々ぐらいでしょうね。よく勉強しているなという人はいるんですが…。きちんとノートは取っているようですが、あまり復習をしない人が多いんでしょう。

最終的な理解につながるのは一人のときにどれだけ手を動かすかってことだと思います。中ゼミの先生方の授業は非常にわかりやすいと評判なので、逆に授業を受けるだけでわかったような誤解をしてしまうこともあると思うんです。そのとき宣せ印綬行がわかることと、自分で問題を解けることは必ずしもイコールではないということです。これは英語にも当てはまる話です。要は自分の中に知識を定着させる作業を自分でする必要があるんですよね。ただ、先生方が重要なところ、きちんと覚えなければならないポイントなどを、授業の中で指摘してくださるので、受験生にとっては、限られた時間を有効に使うことができるというメリットもあると思うんですが。

そう思っていただければありがたいです。私も"絶対出る!"とかは言いませんが、出やすい箇所は重点的にやるようにしています。もちろん、一応満遍なく勉強させるようにしてはいますが。例えば微分方程式を毎年出さない大学でも、試験の範疇には微分方程式が含まれているはずなので、出る可能性はあるわけです。そういった傾向を見た上で、おそらく出ない、おそらく出るという表現にはなりますよね。また、勝手に自分で判断して"~~は出ないからやらない"というような勉強をしている人を見かけますが、これはあまりよくありません。基本的には満遍なくやって、最後の最後で詰めるようにすることが大事です。ヤマをかけるようなことになってはいけません。

国立の理系は試験が早いですから、前年の9月ぐらいから基礎作りをする必要はありますよね。理系の人たちは英語の弱い人が多いですし、他にも必要な科目もありますから。

はい、そうですね。9月から基礎固めをきっちり行って、年明けの2月に始まるⅠタームから本格的に大学の範囲をやっていくというのが理想的ですね。4月からのⅡタームは実践的な勉強をやるという流れです。

大学編入試験と一般入試

文系の人たちは1年間かけるつもりで早い段階でスタートしたほうが確実ですよね。一般入試では合格が厳しそうな人が、編入で合格するというケースがあると思いますが…。

そうですね。きちんと勉強した人が合格することに変わりはありませんが、受験者数も違いますし、筆記試験だけじゃなく面接試験もあるわけですから、しっかり勉強している人かどうかを、大学側で判断してくださっているのだと思いますよ。

中ゼミでは志望理由書から面接まで、選抜の対象になることは全て指導していますし。

はい、あれは非常に重要だと思いますよ。中ゼミの面接指導のおかげで合格している学生もたくさんいるはずです。ですから、早稲田・千葉・筑波という難関大学にびっくりするような人が合格していますからね(笑)。ただ残念なのは、理系の人が基礎的な部分の説明をきちんと聞いてくれないということですね。ちょっと考え方を変えればすごく伸びるはずなんですが…。何十年も受験指導をしてきた私ですら、高校数学を教える中で新しい発見をすることがあるくらいです。基礎は終わったからもうやらないでは、そういう発見はありえないんです。

先生の面倒見のよさや、中ゼミの面接指導などをうまく利用して能動的に動ける学生は、一般入試では得られなかったような結果を出すことができますが、授業を受けるだけのような受身の学生さんはなかなか結果が出ないようですね。

合否の差はそこが大きいと思います。やればできるのが人生ですから、気持ちを強く持って、頑張る気持ちを持ち続けることです。

それに、文系の学士の方や50歳以上のシニアの方にも、こつこつ勉強して数学の力を身につける方がたくさんいますよね。私なんかは数学というだけで敬遠してしまいますが…(笑)。

他の科目をやってできる人は数学をやってもできるはずなんです。ただ食わず嫌いなだけです。

文系からの理転は非常にチャンスの広がる進路ですから、数学があるから諦めるのではなくて、どんどん挑戦してもらいたいですね。

高等専門学校生は?

高専の学生は大学生と比べて数学の学力に偏りがあると思うんですがどうですか?

それは高校数学をきちんとやっていないからです。高専では基礎数学という名前の科目で、高校1・2年の範囲をやっています。基礎数学では漸化式をやっていない、三角関数や指数対数関数は公式を教えてるだけ、方程式・不等式をきちんとやっていない…とか、聞くことがあります。

それは、例えば機械工学のような学問分野に役立つ部分しか勉強しないということなんでしょうか?

それもありますが、時間が少ないのが一番でしょう。高専での数学のコマ数も多くはないんだと思います。

一度私も教科書を見たことがあるんですが、大学の範囲のものと高校数学の非常に易しい分野が一緒に入ってしまってるんですよ。あれでは体系的な理解をするのは少し難しいのかなって思いますね。

その通りですね。数学が苦手な人や文章読解があまりない人が高専に行くと、数学が全く分からない状態に陥る可能性もあるんです。逆に優秀な人はどんどん伸びてゆく。そういう教育なんだと思います。

確かに、国語が苦手だという理由で理系に進む学生もいますよね。高専であれば入試で国語を必要としないところが多いですし、5年は最低在籍できるというメリットもありますね。ただ最近は高専からの就職が厳しくなっているという現実もありますので、その分編入希望者が増えてきているんです。 ここでネックになるのはやはり国語力ではないでしょうか。例えば英語ができない学生さんの答案を見ると、ひらがなばかりなんですよ。漢字が書けていないんです。数学にしろ物理にしろ論理的な思考能力が必要なので、根本的にはやはり国語力なんだと思います。早い段階で何とかしたいものですね。

数学の証明論述も結局日本語ですからね。数学が嫌いになってしまう原因の一つに、中学数学で出てくるような文章題が理解できないというケースもあるんじゃないでしょうか。

ありそうですね。状況設定が頭でできないんでしょうね。

出題の意味をきちんと把握できないケースもありそうですね。

粕谷先生は国語はできたでしょ?

いやー僕はどちらかというと苦手な方でしたけどね。

私は現国は好きでしたね。出された本はあんまり読まなかったけど。

私は予備校に来て、現代文の授業があるのに最初はびっくりしました。

私もそういう感覚がありました。

だけど確かに現代文の課題文が読めない人もいますからね。

数学は長い文章がありますからね。大変ですよ

数学を嫌いになってしまう原因は、中学の文章題みたいなやつが理解できない場合が多いんですよ。Aさんがどこかにいって、Bさんがそれを追いかける…みたいなやつ。

状況設定できないんでしょうね。勿論数字に置き換えることもできないのでしょう。

国語力は必要ですね。そこをやっぱり勘違いしている人がいる気がします。だから理系の学生も新聞ぐらいは読んで欲しいな、という気がちょっとあったりします。

それから高専の人には、高校数学で抜けている部分を埋めるために、もっと積極的に高校数学を教えた方がいいですね。

ただ、もともと国立大学の理系編入は、高専の学生を受け入れることから始まったんです。ということは大学側は、高専でどのくらいの勉強をやっているかということを踏まえたうえで、出題しているということはないでしょうか。

いや、大体の国立大学が考えていますよ。

高専の人たちが解きやすいような問題、という感覚はありますよね。

確かにそうですね。

じゃあ逆に、高専の教科書の範囲をやっておけば、まあ十分ということですか?

そうでもないんです。これが…。高専の勉強で完璧じゃないんですよね。高校の数学の柱になるところが弱いです。

なるほど。じゃ大学の先生方としたら、高専の事情を踏まえて出題はするけれど、高専の範囲だけでは実際には足りないという考え方があるということですね。

大学生の場合は?

それでは大学生が受ける場合にはどうですか?理系の大学にいる場合は、 高校や大学で勉強してきたことで、ほとんど編入の範囲は網羅されているのでしょうか。

大学生で、数学が得意な人だったら、おそらく大丈夫だと思います。

でも、大学2年の夏前に試験がある場合、2年でやる全範囲から出題されると、まだ大学でやっていないところから出てしまうことも考えられるかなと思いますけど。それとも、大体は大学1年の範囲からだと思っていいのでしょうか。

確かに大学1年の範囲からの出題が圧倒的ですね。あと大学2年の範囲が若干出るくらいです。

ただ、もともと、大学の授業は高校よりもある意味いい加減なところがありますよね。大学1年の範囲といってもきちんと終わらない先生も中にはいらっしゃるようなんです。以前、ある大学の夜間部から昼間部への転部試験対策で来た学生さんによれば、クラスによって数学の授業を担当する先生が異なり、進度が違っていて、全範囲終わっていないのに転部試験には出てしまう場合もあるという話を聞きました。まあ、だから中ゼミで勉強していてよかったという話ではあるんですが(笑)。同じ大学の中でもそういうことがあるくらいです。大学によって授業レベルも異なりますし、進度の違いってあるのではないでしょうか。今後も、大学では勉強しなかった範囲から出題されることはあり得ると思いますが。

十分考えられますね。

大学の先生方は別に、編入試験とか転部試験を受けさせることを考えて授業なさっているわけではありませんから。予備校できちんと全範囲を押さえるということも必要になってくると思います。

中央ゼミナールでの学生指導について

それから江川先生には、学生が解いてきた志望大学の過去問題までみていただいて、本当に感謝しています。

自分で過去問題を解いてくれば、もちろん、みますよ。そういうふうにしっかりやっている学生は、ちゃんと本番の試験で満点取ってきたって言いますからね。ただ、合否はトータルした結果ですから、本当にどうなるかわかりません。ケアレスミスをしているケースもありますし。

数学は勉強したかしないかが、はっきりと点に出ますね。例えば小論文の場合は、評価は別として、一応全部マスを埋めることはできますが、数学は全く手が出ずに0点という場合もあります。でも、逆に、課題文を出す小論文では何が出るかわからない怖さがありますが、数学の場合は、やっておかなければならない範囲は大体決まっているわけです。あとは先生の授業を受けて本人がどれくらい努力するかで、結果は出せるのかなと思います。

ちなみに、どういうことが理系の学生さん達にとってネックになるんでしょうか。やっぱり忙しさでしょうか?でも、中央ゼミナールの学生をみていると、高専の方も大学生も、来る方はきちんと授業に出席していますね。

まあ、中ゼミでの数学の時間帯は、日曜の昼と水曜の夜ですから。

日曜の昼の授業では、実際の試験レベルの問題を扱い、水曜日は基礎レベルという設定になっていますから、在学校でどうしても実験が忙しくて水曜日の授業に出席できなくても、実践レベルの日曜日の授業には出席できるわけです。かつ、2月のⅠタームから中ゼミに来て基礎をきちんとやっていただいている場合は、4月のⅡタームからは日曜の講座を履修すれば、全部の範囲を勉強できるという形になっています。

あと、数学に限らず勉強っておもしろいもので、初めは聞いていても全然解らないことでも、同じことを3回、4回と聞くと、いつの間にか解ったような気がしてくるんです。それがある時期に突然うまく繋がるようなことがあるんですよ。だから、1、2回聞いてわからなくてやめるくらいなら、初めから来ない方がいいと思います。逆に言うと、全くやってない人が、数理の世界に飛び込んでも、そもそもいきなりわかるはずがないんです。だから文系の人が高校数学の授業を聞いて、わからないからといってすぐにやめてしまうのが一番もったいないわけです。逆にその人が一度聞いただけでわかるようだったら、本当にわかってる人にとってはつまらない話になってしまいます。だから勉強というのは押したり引いたりで、あえてⅠタームでも、まあまあ難しいことをやる場合があるんですよ。できる人も引っ張っていかなきゃいけないですから。全然わからないときに止めちゃったらおしまいなんです。そこで頑張って、いつかわかると思って勉強を進めるのが成功の道なんです。不思議ですね。

そうですね。それは英語も同じだと思います。うちの英語は全部添削が付いていて、授業講師の採点で点数が毎回つくんです。最初に易しいレベルで10点20点の人が、最終的に英文学科の結構いいところに受かったりするんです。どうやって勉強したの?って聞くと、とにかくたくさん手を動かして、何回も授業で聞いたことをくり返しやってたら、ある日突然読めるようになっている自分に気付くって言うんですよね。積み重ねの中で自然と体が覚えこんでいくということらしいです。あとはやればやるほど伸びていきますね。

すばらしいことです。数学って難しいと思ったら絶対間違いです。もちろん、なにも勉強していなければ難しいです。式であれ、記号であれ、最初はチンプンカンプンでも、見ているうちにだんだん分かってくるものです。人間の第一印象と同じだと思いますよ。最初は人の本性なんて見えませんものね。

なるほど。せっかちに判断するのはよくないですね。

せっかちはよくないです。じっくり付き合っていかないと。物事の本質がわかってくると、初め全く見えなかったものが何か透明に見えて来るというものがあると思うんですよ。そういうことに期待できない人はやっぱり伸びませんね。自分に期待していいと思いますよ。そういう人を私は応援したいし、待っているんです。

今の学生さんって、できないことにすごくショックを受けるというか、傷つきやすい傾向がありますよね。やっても無駄じゃないかとか、どうせ自分にはできないとか思いこんでしまう傾向があると思うんです。一度そういう不安を捨てて、まっさらな気持ちで一からやってみれば、自分の可能性も見えてきます。そこにたどりつくと合格もできると思うんですね。

私としては、できないけど頑張って勉強しているという人はすごく好きですね。何回でも同じことを質問してきて、こっちもなんで聞くの?って言いたくなるぐらい私を引っ張り出す学生には、こっちも根負けして、いつでも何回でもなんでも教えちゃいます。

そうですか。本当に助かります。今日は有難うございました。今後もどうぞよろしくお願いします。