看護・医療Q&A

近年、社会人のリカレント教育を推進する動きが顕著ですが、看護医療系の大学でも、外の世界で経験を積んだ社会人を受け入れる動きが活発です。社会人経験や年齢を受験条件とした社会人入試(1年次入学)は多くの大学が実施しています。また、少数ではありますが、大学卒業者を対象とした学士編入(学士入学)や2年次入学を実施する大学もあります。しかし、意外に知られていないのがこの社会人入試・学士編入試験です。間違った知識を持っている人も少なくありません。

まずは看護・医療系の社会人入試・学士編入とは何かを、知るところから始めてみましょう。

看護・リハビリの大学に進学し、資格を取って転職したいと思っています。大学を卒業して10年経過する社会人ですが、どんな大学・学部が受験できますか?

宍戸:ここでは、学士2年次編入を実施している全国の看護系大学と首都圏で社会人入試を実施する看護系大学をあげてみます。リハビリを含めた実施の詳細は、試験日程表をご覧ください。社会人経験がある場合は、ぜひ、社会人入試や学士編入の受験を検討してみてください。中ゼミでは、これらの試験対策を行い、毎年、高い合格実績を上げています。

【学士2年次編入】

  • (公立)大阪府立大学
  • リハビリ:北里大学薬学北里大学・昭和大学・昭和薬科大学・共立薬科・明治薬科など
  • (私立)聖路加看護大学・北里大学・慶應義塾大学・広島文化学園大学※
  • ※広島文化学園大は短大卒業者、大学2年修了者も受験可

【社会人学士入試】

  • (公立)首都大学東京・大阪市立大学
  • (私立)上智大学

【社会人入試】

  • (国公立)群馬大学・群馬県立県民健康科学大学・千葉大学・埼玉県立大学・千葉県立保健医療大学・神奈川県立保健福祉大学・山梨県立大学
  • (私立)つくば国際大学・足利工業大学・国際医療福祉大学・桐生大学・群馬医療福祉大学・群馬パース大学・高崎健康福祉大学・西武文理大学・東都医療大学・日本医療科学大学・日本保健医療大学・人間総合学大学・淑徳大学・三育学院大学・千葉科学大学・了徳寺大学・共立女子大学・東京有明医療大学・東京医科大学・東京家政大学・目白大学・関東学院大学

社会人入試・学士編入は、一般入試とはどう違うのでしょうか。一般入試で受験するよりもやさしいのでしょうか。

宍戸:高校生と学力で競争しなければいけない一般入試に比べると、なんといっても試験科目数が少ないところが魅力です。たとえば千葉大学であれば、一般入試はセンター試験7科目に加えて、理科・英語・面接が課されます。しかし、社会人入試では英文問題を含めた小論文と面接のみです。

以前、中央ゼミナールに入学した、ある短大卒業の社会人は、千葉大の一般入試を第一志望として、強いこだわりがありましたが、「社会人入試なら合格の可能性は十分ある。でも、一般入試で合格させる自信はない」と伝えて、社会人入試に特化した勉強をして頂いた結果、合格しました。

ただし、聖路加国際大学の学士編入のように英語・小論文に加えて生物を課す大学もあります。大学ごとに確認してください。

ほかに、一般入試と社会人入試・学士編入の違いはありますか?

宍戸:事前に提出する志望理由書や面接で、社会人としての経歴や大学での学習や経験を評価される点ですね。もちろん、一般入試でも社会人が合格することはあります。でも、そもそもどうして一般入試とは別に社会人入試や学士編入を行っているのかを考えてみてください。これらの試験を実施している大学では、一般入試では高校生や高校を卒業したばかりの方を対象として想定しています。一般入試で筆記は合格したけれども面接で落ちた…という社会人の方がまれにみえますが、面接で失敗するということは、大学側が求めている人材ではなかったと言えます。社会人としての、あるいは学士としての経歴を評価してくれるのは、学士編入や社会人入試なのだと思います。

筆記試験の内容は一般入試とは異なりますか?

宍戸:英語では長文の読解力を問われることが多く、センター試験とは異なる対策が必要です。また、小論文では論述力や知識量に加え、学士、あるいは社会人としてのものの見方考え方、医療職としての資質を問われます。

それでは一般入試と比べるとどちらがやさしいのでしょうか。

宍戸:私は試験に適した準備さえできれば、学士編入や社会人入試の方が入りやすい試験だと思います。学士に関していえば、たとえば聖路加国際大学は、ここ数年、倍率が2倍から高くて3倍で一般入試よりも低いですし、中ゼミからは平成27年度試験で9名の合格が出ています。千葉大学の社会人入試は、例年8倍前後で非常に高い倍率ですが、中ゼミからは平成26年度生が3名合格しています。中ゼミの中での倍率は2倍を切っています。

中央ゼミナールでそれだけ合格しているのはどうしてでしょうか。

宍戸:これらの試験では、きちんと準備しないで受験する方が多いのです。社会人入試である年話題になったのは、受験に来た方の服装です。中ゼミ生は全員スーツで行きますが、普段着のような格好で来ている方が多かったというのです。先生方との面接もあります。受験に対する姿勢から考えなくてはいけない受験生も多いのではないでしょうか。

しかし、中ゼミでは、きちんと通学して筆記だけではなく面接対策まで行った在籍学生の8割が合格を果たし、合格実績を積み上げています。今までの学生指導の経験から、私は、社会人入試や学士編入試験は、試験の内容に精通し、適切な対策を立てれば合格できる可能性が高いと考えています。

中央ゼミナールでは大学への合格者が多く専門学校にはあまり受かっていないようですが。

宍戸:当校に見える方の多くは大学への進学を希望しています。中ゼミ生に人気大学の学士編入・社会人入試は9月に試験の終わるところが多く、看護専門学校の学士入試や社会人入試はその後に始まります。従って、まずは学士編入や大学への社会人入試に合格するように指導します。実際、結果を出す方が多いために、専門学校受験まで至らずに受験を終える方がほとんどです。

しかし、最初から専門学校を希望してくる方も少数ですがいらっしゃいますし、合格も出ています。専門学校の学士入試や社会人入試も小論文・面接が多いため、対策は共通しています。お気軽に相談して頂ければと思います。

大学卒業者の方が看護系大学の社会人入試では有利だと聞きますが。

宍戸:中ゼミから千葉大学に受かっている方には、美容系、IT系その他の専門学校卒業者や短大卒業者もいます。ですから、筆記試験や面接で高い評価を受けることができれば、大卒でなくても大丈夫です。ただ、高校を卒業後、勉強を全くせずに何年も経過している…となると、基礎的な学力をつけるのにどうしても時間がかかります。大学卒業者との違いはここにあります。このような場合は、あせらずにじっくり取り組む覚悟が必要です。また、確実に看護師になるためには、専門学校受験をお勧めするケースもあります。

大学と専門学校では、大学の方が合格は難しいのでしょうか。

宍戸:単純に倍率だけで言えば、たとえば東京では、専門学校の社会人入試は10倍超えもざらですので、むしろ、社会人入試は専門学校入試の方が難しいとも言えます。専門学校であれば3年間で済むこと、授業料が安いこと、即戦力としての学習ができることなどが理由でしょう。大学は英語を課すこともありますが、専門学校は小論文・面接のところが多いことも理由の一つです。ただ、何となく専門学校のほうが入りやすいと思いがちなのか、専門学校は気軽に受験しがちです。大学を受験するときほどはしっかり準備しない方も多いと推測されます。

実際、過去の中ゼミ生には千葉大学に受かって都立看護専門学校の社会人入試に失敗している方もいれば、都立看護に受かって千葉はだめだったという方もいます。大学であれ専門学校であれ、甘く見ることなく、しっかり準備することが大切ですね。

一つ付け加えると、専門学校は受験勉強をきちんとするのであれば、社会人入試よりも一般入試の方が入りやすいかもしれません。看護大学が増えて、現役学生の多くが大学進学を希望しています。専門学校進学者の半数近くが、今では社会人です。一般入試も多くの社会人がチャレンジしていますが、勉強をせずに受ける方もいます。倍率も社会人入試より低いので、専門学校進学を希望する方には、社会人入試だけでなく、一般入試も見据えた受験勉強をお勧めします。もちろん、中央ゼミナールには、長年勉強から離れていた社会人を対象とした数学、生物の講座も設置されています。

社会人ですが、仕事と受験勉強は両立できるでしょうか。

宍戸:一概には言えません。受験生によって今までの学習過程も異なりますし、受験大学に生物があるのかなどでも、異なってきます。個々で受験勉強にかかる時間が異なるわけです。今までの例で言うと、働きながら中ゼミに通学する方からも千葉大、聖路加国際大学などへの合格は出ています。しかし、仕事を退職して受験勉強に専念した方が合格できる率が高いことは確かです。たとえば、週1回だけ、単科で小論文1講座のみ取っている方と、総合コースでしっかり勉強した方を比べると、合格率は当然、後者の方が高いです。大切なのは、自分に必要な勉強時間をきっちり確保できるかです。

まだ、大学2年在学中ですが、受験できますか。

宍戸:リハビリ系で、2年以上在学した者に(一部1年以上)受験を認めている大学があります。名古屋大学や北里大学などです。看護では、私立の広島文化学園大学が全国で唯一、大学2年修了者や短大生の受験を認めています。中ゼミからは名古屋大の作業療法などに大学2年生が受かったケースはありますが、看護の場合は一般入試で受け直すか、大学4年まで待つかになりますね。

これらの試験に年齢制限はありますか。

宍戸:中央ゼミナールからは40代後半の方が聖路加、慶應、千葉、その他国立大学などに合格しています。ですから、大学は大丈夫です。ただ、私立病院付属の専門学校は、自分の病院に就職させることを目的としていますから、30代前半までが望ましいと考えることが多いでしょう。