大学編入 受験資格の不思議(続き) 

 中ゼミは今日は公開模試。残念なことに雨模様で、どのくらい参加があるか、ちょっと心配です。もし、行こうかなあ、どうしようかなあと思いながら、これを見ている校内生がいたら、模試はぜひ受けて下さいね。予想問題としても大切です(と、間に合わないか…)。
 さて、一昨日の続きにいきましょう。受験資格の不思議です。
 昨年、試験要項を見てびっくりしたのが、同志社大学法学部の2年次編入(昨年度からスタート)でした。「2005年に入学した者」と試験要項にありました。つまり、大学1年在学者しか受験できないということになります。2年次編入の場合、他の大学はほとんどが1年次修了(見込)者とし、中途退学した人も2年次在学者でも受験できるのですが…。
 こういうケースは初めてだと思います。大学によっては編入生が他大を退学して転入してくることを気にしてか、中途退学者のみとか、現在の在籍大学の受験許可書が必要…とか、規定しているところもあるくらいなのに…。この場合、明らかに他大に今、在学している学生がターゲットということになりますね。それだけ自信があると言うことでしょうが、ちょっとした驚きでした。それにどういうメリットがあるのか、いまいちわかりません。1年次修了(見込み)していれば誰でもOK…にしたほうが、受験者数は多くなりますものね。今、他学科にいる2年生が、2年次で編入して基礎から勉強したいと思うこともあるでしょうし…。なぜ制限するのか、不思議です。きっと、私などには思いもよらぬ深い考えがあってのことでしょうが。
 今年度の同志社大学の試験要項はすでに配付されていますから、どうかなと思って見たところ、「2006年に入学した者」で受験資格は昨年度と変わらず…でした。昨年度は初めてなのでうっかりしちゃった…というわけではなかったようです(すみません。もしかしたらと思っていました)。ちなみに昨年度の受験者数は31名で7名合格でした。でも、内訳を見ると、法律学科が21名受験で7名合格、政治学科は7名受験で合格がゼロでした。なんだかなあ…と思ったのでした。
 今年驚いたのが、東北大学経済学部です。もっとも、驚いた理由が違いますが…。具体的には英語の試験に代えて、出願時にTOEICのスコア提出となったのです。何が不思議かといえば、大学に提出する語学検定関係の書類として、今まで、TOEFLでもTOEICでも英検でもよい…というケースや留学に使われるTOEFLのみということはありましたが、TOEICのみは初めてだったこと。TOEICといえばビジネス英語という印象がありますしね。
 そしてなによりもあの東北大学が…というところが驚きでした。なぜなら、昨年まで東北大学は、1次試験が筆記で、1次合格者のみ、2次の面接を受験したのですが、英語の成績が悪いと面接で英語を読んで訳すようにと言われたりしたのです。しかも、英語の点数によっては、編入後に英語の単位を多く取らなければいけない…というペナルティ付きでした。英語の読解力を重視しているとばかり思っていたのですが…、わからないものです。もっとも、案外、面接で英語力を試されたりするかもしれませんね(これは私の勝手な想像ですからお間違えなく)。
 なお、スコア提出とあるだけで受験資格に基準点はありません。ですから、提出さえすれば誰でも受験はできますが、TOEIC対策は一般的な国立大学編入試験対策とは異なります。長文読解の練習を徹底的に行っている中ゼミ生にとっては嫌ですね。でも、逆に受験生は少なくなりますから、チャンスと言えるかもしれません。
 そういえば、昨年度まで語学検定の基準があった早稲田大学社会科学部は、逆に今年から英語の筆記試験にかわりました。これで受験者は増加することでしょう。ついでに、ぜひ、合格者数も増やして欲しいものです。
 例によってダラダラ長くなりました。明日は英語の話をしたいと思います。

大学編入 受験資格の不思議

 もし、「何が編入試験をこんなにわかりにくいものにしているのでしょうか」と聞かれたら、ただ一言、「受験資格!」と叫ぶと思います。一般入試なら、高校卒業(見込み)あるいは同等の資格があれば誰でも受験できるのに、編入試験はそうはいきません。なんせ大学によって…というよりも、同じ大学内でも学部によって、あるいは学科や専攻によって異なることがあるのが、受験資格です。
 特に大学生が受ける場合。はっきりと2年次修了(見込み)で62単位以上取得(見込み)者と明記されていればよいのですが、なかには所定の単位取得(見込み)者と書かれている場合もあります。所定の単位って何???っていう感じです。
 受験生にしたら、2年次に科目登録した単位はすべて取っていなければいけないんじゃないか…とか、今の大学の3年次への進級条件を満たしていなければダメかな…とか、悩むと思います。
 基本的にはこういうケースは、40単位くらいしか単位(見込み含む)を取得していなくても受験できることが多いのですが、もし、この件で中ゼミが質問を受けても、万が一、まちがった回答をしたら責任があるので、大学に確認してくださいと答えることになります。
 さて、いろいろな受験資格を見てきた私ですが、いまだにへえ?と思うことがあります。
次回はその中から、同志社大学法学部や東北大学経済学部などについて、紹介しましょう。
 明日はお休みなので、この続きはあさって以降に。

今日は日記風??

 昨日はスタッフとの打ち合わせで、ブログは日記なんだから、こ難しい受験の話だけでは、読んでもらえない…という話になりました。あれれ…、編入のことばっかり書いている私って、ブログ失格? でも、今日はこういう学生の相談に乗りました…なんてことは書けませんものね。
 私たち中ゼミのスタッフはカウンセラーではありませんが、編入や社会人入試の志望理由書をみていると、どうしてもその受験生の生き方に触れることになります。そこには本当に驚くくらい、さまざまなドラマがあります。時にはつい、目頭が熱くなってしまうことも…(最近涙もろくて困ります。年のせいだと言われそうですが)。でも、それはその方だけのもの、私たちを信頼して話してくれるのですし、私たちにもカウンセラー同様に守秘義務があります。
 実際、先週は社会人の方の志望理由書を中心に、1日平均して3?4名の中ゼミ生の相談を受けました。また、毎日、一人か二人、入学相談も担当しました。ですから多い日で6名の方とお話ししているわけですね。でも、具体的な相談内容については、ノーコメントです。
 許されるのは、ずっと以前のできごとを、誰の話か特定できないような内容で書くことくらいでしょう。そしてそれが、読んでいただいた方の何人かにとって、励みになるかもしれない…というケースですね。
 さて、受験指導に明け暮れる毎日ですが、その中で生まれてくるのが市販本です。6月に出た「2007主要大学編入試験案内」は年度ものですが、今回内容を全面的に見直し、昨年度までよりもずっと使いやすく、かつ、情報も充実させました。編集を担当してもらうスタッフは、作り直しが大変で内心ブーイングだったと思いますが(本当によくやってくれました。感謝!です)。特に自慢が逆引きです。志望の学科から編入試験実施大学を探し、該当ページを確認できるという優れものです。中ゼミで指導にあたるスタッフにとっても便利な1冊となりました。
 7月には「合格ナビ!臨床心理学指定大学院攻略<英語編>」が出版されます。もう、完成した本が届いていますが、今までの東京図書とはひと味違う装丁で気に入りました(なんせ東京図書は地味好みなので…)。こちらは大学院向けですが、編入指導から始まった専門英文勉強方法のノウハウが活かされています。
 さらに、現在、合格ナビの専門編に取り組んでいるのですが、こちらはすでに、先生方の原稿は済んで、後は私の方のまとめだけ。でも、出版社の編集担当に怒られながらも、なかなか筆が進まず。全く初めて心理学に取り組む方もいれば、大学で勉強している方もいます。どちらの方にも役立つ本を…と考えると、悩んでしまいます。
 並行して「まるわかり大学編入」(この本は私の企画によるものでお気に入りです)の新年度版を準備中。他にもいくつか企画があります。
 本を作るのはけっこう好きです。自分の名前で出した、最初でおそらく最後の本『誰も教えてくれなかった大学編入』は、私にとっては大切な宝です。でも、この本を読んで中ゼミを訪れる方に接すると、責任の重さも実感します。その方の人生を変えることになるかもしれませんから。編入のよいところだけではなく、大変なところまで、すべて書いたつもりではいますが。
 さて、7月15日には武道館の大学フェアに編入や大学院入試の相談ブースを出します。
編入には関心があるけれど、何となく中ゼミには行きにくい…という方や、ついでに各大学から情報収集したい…という方は、ぜひどうぞ。中ゼミブースで若手スタッフ(私より若いだけ?)に一人混じっているおばさんが私です。よかったら声をかけて下さい。
 今日はブログは日記を意識してみましたが、ちっとも日記になってませんね(しかも長い!)。失格かな。しかも、明日からはまた、堅苦しい編入の話になっちゃうけれど、よかったらおつきあいください。

編入で、あまり取る気がない大学…(続き)

 以前、千葉大学法経学部が編入試験を実施していた時期がありました。以下、未確認の情報です。ここが最初に編入試験を始めた時は、編入試験実施の知らせは、学内の掲示板に貼られていただけだったとか…。編入の実施を学内に知らせても意味がありませんよね。つまり、取る気が全くなかったということ。当時の文部省がやりなさいと言っているから、かたちだけつけたというところでしょうか?
 さらに話は続きます。ところが大学側では予期せぬ?ことに、受験者がいました。受験しに行ったのは、ある法律学科・経済学科を擁する短大(今はもうなくなりましたが)の学生ばかりでしたが、そこそこの人数に。千葉大とその短大の両方で授業を持っていた教員が、短大で学生に教えたことがきっかけだとか。内部だけの情報にとどめて誰も受験に来ないと思っていた大学側では、誰が実施することを漏らしたんだと犯人探しになったとも…。
 以上の話は、当時その短大に在学して中ゼミに通学していた学生から聞きました。編入試験実施を短大で漏らしたとされる先生は「まずいんだよ」と言っていたとか。多少想像が混じっているかもしれませんが、あり得ないことではないと思います。
 その後、当然中ゼミでも、「実施しているそうですが」という問い合わせを千葉大法経学部にするようになり、以後は外部の大学生も受験するようになりました。でも、長くは続きませんでした。ある年から、編入試験の実施は中止になったんです。きっかけは中ゼミ生だった…と私は今でも思っています。
 ある年の千葉大学法経学部合格者は、ほとんどが中ゼミ生でした。私たちスタッフも、とても喜んでいたのですが、ところがところがです。みな、他の大学にも合格して、結局誰も千葉大には行かなかったのです。
 ある学生は千葉大ではなく立教大学に行きました。国立大学は数学や理科もできなければ行けない=(イコール)国立は頭のよい人が行くところって、すりこまれている私のような世代の人間にとっては、千葉大に行かないで立教に行くって信じられないことでした。でも、当時は東京の私立大学の人気がとっても高かった時代、世の中はとっても景気がよく、いわゆるバブルの頃です。受験生の大学に対する評価も価値観も私の頃とは違いますし、こういうこともあり得たんですね。(さて、今の皆さんだったらどちらを選択するんでしょうか。)
 その翌年から千葉大学法経学部が編入試験を中止したのは、中ゼミの先輩達の行動とおそらく無関係ではないでしょう。大学のプライドも、さぞ傷ついたことと思います。
 実は前回触れた北海道大学経済学部でも同じようなことがありました。平成16年度以前も、合格者数は1名とか2名とかでしたが、中ゼミ生が受かっていました。でも、結局入学しなかったんですね。関西の方の国立大学に行ってしまいました。平成17年度以降は、1次の筆記は受かるのですが、2次の面接で落ちる…という状況です。もう、東京から受けにいっても、取ってもらえないんじゃないかと、心配です。中には本当に北海道大学に行きたい!とがんばっている人もいたのですが…。本当に行きたいのか、第一志望は別の大学なのか、そのくらいは面接で見抜いて欲しいものです。もちろん、意欲も熱意も学力も足りない!って思われたのかもしれませんが。でも、他大では受かっていますしね。
 例によってダラダラ長くなりました。この続きはまた次回に。

 編入で、あまり取る気がない大学…

 昨日久々にお休みしたら、思考がとぎれてしまいました…。今日は、何をブツブツ書こうかな…とぼんやり考えていたのですが、そう言えば、前々回に、
 「取る気がない」もさまざまで、違う意味で「取る気がない」大学もあります。
って書いたのを思い出しました。今日はその話にしましょう(また熱くなってしまうかもしれない…)。
 どういう大学をさして、「取る気がない」(は言い過ぎかな、「あまり取る気がない」に訂正します。)かというと、大学在学者にも受験資格があり、実際、たくさん受験しているのにもかかわらず、合格が数名しか出ない、あるいは合格がゼロ…なんていう大学がそうです。
 このケースは、若干名募集で編入定員はありません。また、人気大学や有名大学であることは、前回のケースと共通しています。
 たとえば、早稲田大学商学部…(早稲田は前回も取り上げましたが、学部ごとで対応が異なりますので)。平成17年度は18名受験で合格が1名でした。受験者が少ないのは、この年から受験資格に語学資格試験の基準が設けられたからで、前年の94名受験から志望者数が激減しました。たくさん受験した方が大学だって受験料収入があってよいだろうにと思うのですが、なんでわざわざ入り口で制限する、つまり門前払いするんでしょうね。
 それに北海道大学経済学部。法学部は2年次編入まで始めたのに、経済学部は若干名募集で、平成17年度など合格がゼロです。本当に取る気がない大学学部です(ため息)。
 時間切れになりました。この続きはまた次回に。

編入試験で誤植は珍しくない…

 昨日は書いていてちょっと熱くなっちゃいました。最初は編入での学生受け入れを提言した大学審議会の答申の話まで、長々と説明していたんですが、さすがに途中でカットしました。話も文体も、つい、固く、何だか偉そうになってしまったんで…。
 編入で大学生を受け入れてくれない大学について思い浮かべると、編入受験生応援魂がメラメラと燃えてしまいます。今まで多くの方のがっかりした顔を見てきましたから…。もっとも、東大や早慶がまともに編入を実施するようになったら、編入業界に大手予備校が次々と参入してきて、弱小予備校としてはトホホ…かもしれません。
 さて、ちょっと話を戻しましょう、前々回で最後に誤植について触れました。
 昨年はある国立大学法学部の編入試験で、問題冊子の乱丁、問題文の誤植など、受験生にとっては合否に影響しかねないミスがありました。大学側も気付いていなかったようで何も事前説明がなかったとのこと。それでなくても受験生は試験本番は舞い上がっています。状況を把握できたときには、もう、時間が足りず…という人もいたようです。
 実は編入試験では、試験問題に誤植があることが珍しくありません。一般入試とは異なり、編入試験は受験生がごく少ないですし、ミスがあっても新聞に公表されることはありません。だからミスがあってよいということではもちろんありませんが、作成した問題を充分に時間をかけて複数の教員が検討したり…、ということはしていないのでしょうね。別にそのために隠しているわけではないでしょうが、編入試験では試験問題を非公表とする大学がたくさんあります。
 編入試験で誤植は珍しくない…受験生はそれを頭に置いておきましょう。そうすれば、いざという時に落ち着いて対応できます。もっとも、正しいスペルなのに似ている違う単語の誤植だなんて思いこんでしまっては困りますが…。
 以前、中ゼミで英語講師採用試験に利用していたある大学の編入試験の過去問題にも、誤植がありました。welfare state(福祉国家)とヒトラーのwarfare state(戦争国家)の対比の話なのですが、実はwarfareがwelfareになっているんです。誤植に気付くかどうかもポイントだなんてそのまま使っていたんですが、今考えるとずいぶん意地の悪い話でしたね。
 今日は編入・転部コ?スの説明会や、校内生・校外生の個別面談で、バタバタした1日でした。この続きはまた次回に。(明日はお休みなのであさって以降になります。)

編入試験で大学在学者を取る気がない大学って

 さて、前回は話の流れから、編入に積極的ではない大学・学部の例として、中大法学部を取り上げる結果になりました。他大学の2年生を受け入れていない、試験日程が前年より5ヶ月も早くなっているのに、ホームページにアップすらしていなかった(PRしていない)ことなどが理由としてあげられます。こういうケースについて、中ゼミのスタッフの間では「ここは取る気がない」と表現します。その気があれば大学在学者を受け入れるでしょうし、宣伝もするはずですから。
 編入で大学在学者を取る気がない大学、つまり他大生に受験資格を与えていない大学は、東京でもまだまだあります。例えば東大、理系学部で短大生や高専生を受け入れている以外は学士(大学卒業者・卒業見込者)のみです。一橋は一切編入を実施していません。早稲田や慶應義塾も一部学部でしか、他大生を受け入れていませんし、青山学院もそうですね。
 こういう大学の共通点って何でしょうか。簡単に言ってしまうと、一般入試で高い人気があり、受験生もまだまだ多いということでしょう。
 ここで思い出すのが、もう、13年も前になりますが、朝日新聞兵庫版に掲載された神戸大学の編入試験実施に関する記事です。そこに、編入試験を実施する目的として、次のように書かれていました。
 「神戸大の受験に失敗した他大学の学生のほか、なんとなく大学や学部を選んでしまって後悔している学生にも来て欲しい」「通常の入試で入る学生以上に、目的意識と意欲のある学生が来てくれるはずで、学内の活性化にもつながる」(’93/10/23)
 神戸大学のこのような考え方は、少しでも良い学生を他大学からという動きの先駆けとなりました。いち早く意識改革を行った大学だと思います。神戸大学はたくさんの中ゼミ生が編入しますが、このような柔軟な姿勢が人気の理由なのでしょう。
 生き残りのために、さまざまな取り組みをして、その流れで編入試験に積極的に取り組む大学がたくさんある一方、学生集めに自信があり、編入試験に消極的なところもあります。でも、編入の目的はそれだけではありません。編入した学生の多くは目的意識を持って意欲的に勉強に取り組みます。
 以前、ある大学の先生から、「授業の時に後ろの方で何か飲みながらおしゃべりをしているのは元からいる学生、前の方に座って熱心に聴いているのは編入生」と聞いたことがあります。編入生の存在はもとからいる学生にとっても大きな刺激になるのではないでしょうか(それとも大学に来て勉強している変わり者と思うのかな)。学士に限らず、今、他大学に在学している人にも、ぜひ編入の機会を与えてほしい、受験生の意気込みを評価してほしいと思います。
 さて、もちろん、「取る気がない」もさまざまで、違う意味で「取る気がない」大学もあります。今日は話が固く難しくなってしまいましたね(自分で頭が痛くなってきました)。この続きはまた次回に。

ホームページ万能ではない大学編入の情報収集

 世の中、インターネットが万能と思いこんでいるフシがあります。確かに、インターネットのおかげで、編入に関する情報収集もずいぶんラクになりました。でも、使うのは機械ではなくて人間のはず。インターネットに振りまわされるのではなく、時と場合に応じてうまく活用できるようになりたいものです。
 実は中ゼミのスタッフの間でも、試験要項がアップされるまで何回でも同じ大学のホームページをチェックする若手?(でもないか)グループと、いつ試験要項ができるのか、電話で聞いちゃったほうが早いと考えるおばさんグループに分かれます。
 私はホームページで痛い目にあっています。編入試験って、欠員募集で実施するところが多く、全くホームページに情報を載せない大学もあるんです。数年前の秋、私は大学編入のガイドブックを作るにあたり(ご多分に漏れず)せっせと各大学のホームページを片っ端からみていました。そこで中央大学をチェックしたら、経済学部と商学部は編入試験について、すでにアップされていましたが、法学部については何もありません。当時、中央大学法学部は3月に試験を実施していましたから、まだこれからだろうと思っていました。
 その後しばらくして法学部志望者との面談があり、志望校選択の相談をしていました。他にどこが受けられるか聞かれて、私が「中央大学は?」と聞いたら、なんと「もう出願期間が過ぎたはずです」との回答。慌てて資料ロッカーを確認したら、すでに試験要項が入っていて、確かに出願は終わっていました。プロとして恥ずかしかったですね。これも中央大学法学部がホームページに何も載せていなかったせい(と苦しい言い訳)です。それに、いきなり試験を5ヶ月も前倒ししないで欲しいし。取る気がないんだなとつくづく思います。
 ホームページを見るとその大学が編入試験に積極的かどうかわかります。編入試験を実施しているのに何も載せない大学があるかと思えば、試験問題をダウンロードできるところもあります。項目はあっても受験資格さえ載せてないところも珍しくありません。結局は電話で確認しないと、らちが明かないことがたくさんあります。総合大学で学部ごとに試験を実施するケースでは、学部でも対応が違うわけです。中大は経済学部や商学部は、編入定員を設置して積極的に編入生を受け入れています。でも、法学部は未だに大学2年生は受験できず…、学士や短大卒業者のみの受け入れです(何とかして下さい)。そこで気付くべきでした。
 ところで、せっかくアップされている編入試験の情報が誤っているということも、何度か経験しました。それも東京の人気大学でも何度か…、それも受験資格やその年の実施学部学科がまちがっているという致命的ミスが…。試験要項と食い違っていることに気付き、ある大学にはわざわざ電話してHPの間違いであることを確認しましたが(こちらは教えてあげたつもり)、数ヶ月後にまだ間違えたままアップされていることを知って、ちょっとがっかりしました。もっとも、こちらもパンフレットの誤植は朝飯前ですから(すみません)、人のことは言えませんし、所詮人間のやることだから…とは思いますが。でも、有名私立大学と中ゼミが一緒ではね(ごめんなさい。開き直ったと怒らないで)。実際、最後は試験要項頼りです。でも、これがまた、何が言いたいんだかわからないこともあるし…。あ、このあたりは愚痴です。ついでに言ってしまうと、誤植で困ることもあります。
 おやおや、例によって話がダラダラ長くなりました。この続きはまた次回に。 

大学の対応の今むかし

 さて、前回は、大学の職員が自分の大学で編入をやっていることを知らない…という話をしましたが、誤解がないように言っておくと、もちろん、ほとんどの大学は、きちんと対応してくれますし、とても親切です。
 話は少々脱線しますが、大学の職員は本当に変わりました。10年以上前のことですが、ある総合大学に前年度の編入合格者数などの実績を聞いたら、「調べるのが大変だ、9月になったら教えてもいい」と言われたことがあります。聞いたのは5月です。なんて不親切な大学だろうと思ったものです。話し方もぞんざいでとても嫌な思いをしました。また、編入についてある大学に問い合わせをしたら「何でオタクにそんなことを教えなくてはならないんですか」なんて、電話に出た女性からヒステリックな扱いをされたこともあります。こちらはひたすら下手に出ているのにね(今思うとそれがいけないのかも?)。私が未だに大学に電話をかけようとするとドキドキして、つい、他のスタッフにお願いしてしまうのは、あの頃の大学の冷ややかな対応がトラウマになっているからではないかと…(見かけによらず気が弱いんです、ホント)。もちろん、2大学とも、今ではあのような対応することはないのですが…。
 そのような状況ですから、当時は今のように大学の先生がわざわざ予備校に来て、「学生さんに自分の大学を紹介してください」なんて、おっしゃる時代が来るとは思ってもいませんでした。
 それが、今年6月3日に当校で実施した大学編入・大学院フェアには、26校もの大学がブース参加して下さって、中には、お茶の水女子大学、東京外国語大学、埼玉大学といった国立大学が含まれていた…ことからもわかるように、本当に大学も変わったんだなと思います。埼玉大学は今年初めての参加でしたが、教養学部から3人もの教員に来ていただき、しかもとても気さくな方ばかりで、(長いこと大学から軽視されてきた弱小予備校職員としては)とても感激しました。
 それでは、もう大学の対応に全く問題はないのかというと、やはり人がやっていることですから、ミスはあります。情報収集の際には気をつけたいものです。
 例によって話がダラダラ長くなりました。この続きはまた次回に。

 
H18.6.3 中ゼミ実施のフェアから 

 大学の職員が自分の大学の編入について知らない?

 昨日の書き込みで、かつては大学に編入について問い合わせたら、「編入って何ですか」って逆に聞き返されたことがあったとお話ししました。さすがにもう、そういう大学はないでしょうが、それでもビックリするようなことは結構あります。
 数年前のことですが、中ゼミの質問掲示板に、次のような書き込みがありました。
 「中ゼミの本を読んで、ずっと行きたかった大学が編入試験を実施していることを知り、電話で問い合わせたら、そんな試験はやっていないと言われてあきらめた。でも、ずっと後になって本当は実施していたことがわかった。あの時、間違った対応をされたことでチャンスをなくしてしまった。こんなひどいことがあるなんてどう思いますか。」
 確かにひどい話です。しかもその大学は旧帝大です。伝統ある大学で、このようなことがあるなんて…と思うかもしれませんが、正直なところ、私は全然不思議に思いませんでした。中ゼミでは過去に何回も、「中ゼミの本に載っているから大学に電話したのに、やっていないと言われた…」という問い合わせが来ているのです。もちろん、中ゼミにはちゃんとその大学が交付している試験要項がありますから、大学側の対応ミスです。そして、相手の大学はその都度違います。つまり、先ほどの大学以外にも同じようなところがあるということですね。
 ですから、編入に関するガイダンスや講演などで情報収集についてお話するときには、大学に問い合わせる場合は、まず、中ゼミの本を見て試験の実施状況を確認してから電話するようにとアドバイスしています。よくわからないまま電話して「やっていない」と大学側に言われたら、当然信じてしまいますものね。でも実際はやっていた…なんていうことになりかねないんです。
 大学の入試担当者が自分の大学の編入試験についてよく知らない…、これは充分あり得ることです。入試担当者は多くが1年次から入学する試験の担当です。何と言っても大学入試は編入試験とは受験の規模も受験者数も違います。それに、最近では大学も経費節減で、派遣社員が入試事務を担当することまであるとのこと、たまたま電話に出た人が、よくわかっていない人だと不運ですね。
 大体、編入試験は試験要項がわかりにくいことが多く、よく、中ゼミでは大学の入試担当に問い合わせの電話をします。そうすると、「今、担当者がいないのでかけ直してほしい」、「明日にならないと回答できない」、「来週まで待ってほしい」なんて回答の返ってくることはしょっちゅうです。電話の向こうでがやがやと相談している声が聞こえることもあります。「受験資格について何だけど、このケースは受けられるのかな」、「この要項の文面だとたぶん大丈夫だと思うけれど…」、「一応、○○さんに確認したほうがいいんじゃないか」、聞いている方は、おいおい、その○○さんが決めるわけ? っていう感じですね。で、回答は「多分大丈夫だと思いますが、1時間後にもう一度電話してください」です。また、中ゼミでは4月に大学に編入学に関するアンケートをお願いするのですが、それについて問い合わせをすると、「誰がそんなまちがった回答をしたんですか」なんて言われることもあります。こちらに怒ったってね。
 話がダラダラ長くなりました。この続きはまた次回に。