ガロアの「普通の」一生。

ガロアの「普通の」一生。

短いながら激動の一生を生きたガロアという数学者がいます。
詳しい人であれば「ガロア理論」などでご存知かもしれません。
彼は10代で注目に値する数学的発見をしながら、
20歳で決闘(!)の末短い生涯を終えました。
その彼について日本の研究者が新たな考察を行い、一冊の本にまとめました。
加藤文元「ガロア―天才数学者の生涯 (中公新書)」です。
21世紀の日本に生きる私たちから見れば、
彼の20年は数奇でドラマチックな人生です。
ですが著者である加藤氏は著書に関するインタビューで以下のように話しています。
「私たちから見れば特殊に見える人生だが、
その時代や環境においてはそれほど変わった生き方ではなかったのかもしれない」
確かにー!と思いました。
いや、そんな言葉では不十分なほど、
静かだけれど大きな衝撃でした。
客観的に物事を見ようと努めてはいても、
人は無意識のうちに自分の「立ち位置」を定め、とらわれ、
そこから見える景色が全てであると思ってしまいがちです。
研究するにしろ、人と関わっていくにしろ、
立ち位置をやわらかく、視線を自由にすることで、
見えなかった何かが見えてくる気がします。
NS

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