手の届くところから

手の届くところから

風邪やインフルエンザやノロウィルスやらが流行っています。
みなさん、流行には迂闊に乗らないように
私には体調を崩すと必ず頭に浮かぶ本があります。
福岡伸一の『動的平衡』
です。
『生物と無生物のあいだ』で華々しいデビューを飾った、
生物学者(もっと細かい分け方もできるとは思いますが)の3冊目の本です。
『生物と・・・』を読んだときは、
理系にもかかわらず(今から考えると非常に失礼)、
なんて哲学的かつ情熱的な文章を書くのだろうと驚き、
一流の研究者とはこのようなものなのだなあと改めて思った記憶があります。
それはさておき。
なぜ『動的平衡』を思い出すのかについてですが、
この本によれば、
病気なども含め私たちの体に起こる何らかの異変は、
個体にとどまらない大きな流れの中での1つの「効果」であり、
その流れ全体の中で問題の原因を考える必要があるそうです。
つまりは「生活感覚の重視」。
なぜ・どうしてを自分の手の届く範囲から考えていく。
当たり前のようで、私たちはずいぶんとそのような感覚から離れて生きてきた気がします。
生き物であること、食べて吸収して排出すること。
一つ一つを大切にすることの価値を考え直させる一冊です。
是非一読を。
そして体調管理には十分気をつけてください。
NS

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